MRJ, エアライン, 機体, 解説・コラム — 2015年11月14日 10:20 JST

大宮会長「初めて通園する我が子のよう」特集・MRJ、それぞれの初飛行(三菱重工編)

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 「今日は11月11日で、YS-11と感じが似てる。機体の番号(登録番号JA21MJ)が21。いろいろな思いが頭の中をよぎった」

 MRJが初飛行に成功した11月11日、三菱重工業(7011)でプロジェクトを主導してきた大宮英明会長は、戦後初の国産旅客機である日本航空機製造(日航製)のYS-11型機と記念すべき日を掛け、こう表現した。

初飛行を終えたMRJの前で取材に応じる三菱重工の大宮会長=11月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 国産初のジェット旅客機である三菱航空機のMRJ。2008年3月27日、全日本空輸(ANA/NH)がローンチカスタマーとして25機(確定15機、オプション10機)を三菱重工に発注し、事業化が決定。同年4月1日には設計や型式証明の取得、販売などを手がける三菱航空機が営業を開始し、三菱重工は製造を担う。

 1962年8月30日に初飛行したYS-11と同じく、県営名古屋空港(小牧空港)から離陸したMRJは、度重なる延期を乗り越え、7年越しでこの日を迎えた。

 半民半官だった日航製に参画していた三菱重工にとって、MRJはYS-11以来となる完成機を航空会社などに供給していくビジネス。旅客機の巨人、ボーイングへの主翼などの供給では実績があるが、旅客機まるごとを手掛けるのは勝手が異なる。さらに日本は製造国として、国土交通省航空局(JCAB)が機体の安全性を証明しなければならない。そしてANAは最初にMRJを運航する航空会社として、実際の運航で起こりうるトラブルに対処していく必要がある。

 機体メーカー、航空当局、ローンチカスタマー。11月11日をどのような思いで迎え、どのようにMRJを育てていくのだろうか(全3回)。

—記事の概要—
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50席から90席へ

 今回初飛行したのは、5機ある飛行試験機のうちの初号機で、2014年10月18日にロールアウトした。この時、大宮会長は「ようやく夢から現実へと姿を変えようとしている」と、招待客の前に登場した機体を前に感想を語った。

MRJを披露する三菱重工の大宮会長。ロールアウトは夢から現実への転換点だった=14年10月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 三菱重工がMRJのプロジェクトを本格的に開始したのは、ANAから最初の受注を獲得した2008年。しかし、当然ながらこの年からいきなり開発がスタートした訳ではない。MRJの安全性を審査するJCABの航空機技術審査センターは、2004年4月に県営名古屋空港内の庁舎に設置された。

 つまり、2000年代初めには三菱側と国は国産旅客機の開発に着手する意向を固め、プロジェクトをスタートさせるための最初の顧客「ローンチカスタマー」を募ることになる。三菱側と航空会社がトップを交えて情報交換を進めていく中で、


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