三菱重工業(7011)の2026年3月期通期連結決算(IFRS)は、純利益が前期(25年3月期)比35.3%増の3321億2900万円だった。GTCC(ガスタービン・コンバインドサイクル発電プラント)や原子力、防衛・宇宙などが押し上げた。航空・防衛・宇宙セグメントは防衛・宇宙が伸び、事業利益が52%増の1515億円となった。現在進行中の2027年3月期通期業績見通しは、最終利益3800億円(26年3月期比14.4%増)を見込む。
—記事の概要—
・26年3月期
・27年3月期予想
26年3月期
2026年3月期の売上収益は14.1%増の4兆9741億6800万円、事業利益は21.8%増の4322億1800万円で増収増益。受注高は19.5%増の7兆6536億円となった。GTCCや原子力、防衛・宇宙などが伸び、受注高と事業利益、純利益、フリーキャッシュフローは過去最高だった。全社では、GTCCが大型ガスタービン35台を受注し、受注残高は5兆円を超えた。フリーキャッシュフローは8934億円で、GTCCを中心に前受金の入金が先行した。

豪州向け次期フリゲートはもがみ型護衛艦の能力向上型(三菱重工提供)
セグメント別のうち、航空・防衛・宇宙セグメントの事業利益は1515億円(前期比515億円増)。受注高が1兆9294億円(1706億円減)、売上収益が1兆3938億円(3632億円増)となった。
航空・防衛・宇宙は、防衛・宇宙事業と民間機事業で構成。受注高は防衛・宇宙事業が1兆6826億円(1942億円減)、民間機事業は2468億円(236億円増)。売上収益は防衛・宇宙が1兆1445億円(3169億円増)、民間機が2492億円(462億円増)だった。
防衛・宇宙事業は、豪州向けフリゲートをはじめとする複数の大型案件を受注。2023年度からの旺盛な受注を背景に、順調な工事の進捗により増収増益となった。防衛・宇宙の受注残高は4兆632億円となり、着実な遂行に向けて生産設備と人員リソースの増強を進める。
民間機事業は増収となった。民間航空機の出荷機数は、ボーイング777型機が23機(前期19機)、777Xが9機(7機)、787が73機(45機)だった。
また、エナジーセグメント内の航空エンジン事業は、受注高が2917億円(541億円増)、売上収益が2741億円(618億円増)だった。
三菱重工は、ボーイングのTier1(1次請け)として787型機の複合材主翼を製造するほか、777の後部胴体などを担当。777の後継となる777Xでは、後部と尾部胴体の開発・製造を担う。このほか、737のフラップ、航空エンジンでは米プラット&ホイットニー(PW)製PW1100G-JMエンジンに参画し、英ロールス・ロイス製エンジンの燃焼器モジュール、低圧タービンブレードなども手掛けている。
なお、旧三菱ロジスネクスト(現ロジスネクスト)とその子会社・関連会社に係る事業を非継続事業に分類しており、受注高、売上収益、事業利益、税引前利益は同事業を除いた継続事業の金額で表示している。
27年3月期予想
2027年3月期通期の連結業績予想は、売上収益が2026年3月期比8.6%増の5兆4000億円、事業利益が24.9%増の5400億円、純利益は14.4%増の3800億円を見込む。受注高は11.2%減の6兆8000億円を見込む。為替レートは1ドル150円、1ユーロ180円を想定している。業績見通しには中東情勢の影響を含めていない。
通期見通しのうち、航空・防衛・宇宙セグメントは、受注高1兆6500億円、売上収益1兆5000億円、事業利益1700億円を見込む。防衛・宇宙の受注は前年度比で減少するも高水準を維持し、売上は防衛航空機・飛しょう体を中心に増加を見込む。内訳は防衛・宇宙の売上高が1兆2500億円、民間機が2500億円となる。
エナジーセグメント内の航空エンジン事業は、受注高、売上収益とも2600億円を見込む。
2026年3月期の年間配当は、従来から1円上乗せして1株あたり25円とした。2027年3月期は4円増配となり、1株あたり29円を想定している。
関連リンク
三菱重工業
次期練習機
・次期練習機T-X「エキスパートを集中投入」三菱重工、GCAPと開発重複時も対処(25年6月4日)
・三菱重工、次期練習機T-Xのコンセプト初公開 白に黒と青配すハウスカラー=DSEI Japan(25年5月21日)
次期戦闘機
・日英伊、次期戦闘機開発で合弁会社「エッジウィング」設立 2035年就役へ(25年6月21日)
・日の丸入りも披露 日英伊の次期戦闘機、ファンボローで新モックアップお披露目「2025年は非常に重要な節目」(24年7月28日)
・次期戦闘機の新会社「日本航空機産業振興」事業開始 SJAC・三菱重工出資(24年7月10日)
・防衛省、次期戦闘機に914億円 24年度予算案(23年12月24日)
・日英伊の次期戦闘機、BAEと三菱重工、レオナルドが3社協定合意(23年9月12日)
・次期戦闘機、日英伊3カ国共同開発 F-2後継35年配備へ、米とは無人機開発(22年12月9日)
次世代国産機構想
・経産省の次世代国産機構想、三菱重工泉澤社長「次期戦闘機でリソースがタイト」(24年5月8日)
・経産省、国産旅客機2035年以降実現へ戦略案 スペースジェット反省生かせるか(24年3月29日)
決算
・三菱重工、25年4-12月期純利益2109億円 通期予想は上方修正(26年2月9日)
・三菱重工、26年3月期は最終益2600億円予想 トランプ関税は織り込まず(25年5月12日)
