成田空港に電気や冷暖房を供給する「Green Energy Frontier(GEF、グリーン・エナジー・フロンティア)」は3月30日、空港内の各施設へ配電する新施設「Central Power Substation(新中央受配電所、CPS)」の起工式を開催した。同社は成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)と東京ガス(9531)の2社が共同出資する新会社で、1978年の開港以来50年近く運用してきた現・中央受配電所を建て替え、電力を安定供給する。CPSは4月1日に起工し2028年度に竣工する予定で、同施設はGEF初の大型インフラ更新工事となる。

GEFが成田空港に新設するCPSのイメージ図=26年3月30日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
中央受配電所は、電力会社から特別高圧で受電した電力を空港内で必要な電圧に変換する施設で、降圧した電力を中央冷暖房所、旅客ターミナルビル、事務所ビル、航空灯火、貨物地区などの各施設へ配電する。配電所自体には発電機能はない。
新設するCPSは、第2ターミナル前にあった従業員駐車場の跡地に建設する。地上4階、地下1階建てで、建築面積は1532平方メートル、延床面積は6022平方メートル。既存の中央受配電所の東側に設け、既存施設を運用しながら新施設へ段階的に移行させる。老朽化した中央受配電所を更新するほか、将来的な電力需要の増大にも対応可能な受配電所としても整備する。NAAは滑走路の増設や旅客ターミナルビルの再構築、新貨物地区の整備など「成田空港第2の開港プロジェクト」を進めており、CPSでは従来の1.5倍の電力を安定供給できる見込み。
また、新たに太陽光発電設備など、脱炭素化への設備導入も見据えた構成とするほか、AI(人工知能)を活用したエネルギー需要予測システムを実装する見通し。NAAが構築を予定しているデータベースと連携し、フライトスケジュールなど空港データや気象情報や運用データも活用。需要予測により、熱供給などの運用の最適化を目指す。
CPSの予定地で開かれた起工式で、GEFの西本忠義社長は「CPSは成田空港の発展を支える重要なプロジェクト」と述べ、気を引き締めた。

CPSの起工式であいさつするGEFの西本社長=26年3月30日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
GEFは、NAAの特高受電設備や熱源設備などのエネルギー供給設備を引き継ぎ、2023年4月1日から事業を開始。資本金は18億2750万円で、NAAと東京ガスが50%ずつ出資する。社長にはNAA出身の西本氏が就任した。成田空港へエネルギー(電気・熱)を供給し、今後はCPSに併設する新中央冷暖房所を2034年度上期に完成させる見通し。

CPSの起工式で「くわ入れ」する(左から)GEFの西本社長、NAAの藤井直樹社長、東京ガスの笹山晋一社長=26年3月30日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

CPSの起工式で「切麻散米」を行う神職=26年3月30日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire
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