インドのアーメダバードで現地時間6月12日に起きたエア・インディア(AIC/AI)のAI171便(ボーイング787-8型機、登録記号VT-ANB)墜落事故で、インドの事故調査当局であるAAIB(航空事故調査局)は、回収したコックピットボイスレコーダー(CVR、操縦室音声記録装置)とフライトレコーダー(DFDR、飛行記録装置)の解析を進めている。

エア・インディアの787-8(資料写真)=25年5月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
AAIBの26日の発表によると、CVRとDFDRを総称したいわゆる「ブラックボックス」は13日と16日に回収され、アーメダバードで24時間体制の警察保護と監視下に置かれた後、24日に空軍機でデリーにあるAAIBの研究所へ移送された。データ抽出は同日夜に開始され、25日にはメモリモジュールへのアクセスとデータダウンロードを完了。CVRとDFDRのデータ解析は現在も続いているという。
AAIBは、機体の製造国である米国のNTSB(米国家運輸安全委員会)の技術メンバーや航空医学専門家、管制官ら多分野の専門家を含む国際基準に準拠したチームを編成。調査は国内法と国際規約に基づき進めており、事故原因の特定と再発防止策の提言を目指すとしている。
AI171便(ボーイング787-8型機、登録記号VT-ANB)は乗客230人と乗員12人の計242人のうち、乗客1人を除き死亡が確認された。2011年就航の787型機として初の墜落・死亡事故で、機体は全損した。
エア・インディアは14日、犠牲者の遺族や生存者に250万ルピー(約417万円)の中間支援金を支給すると発表しており、タタグループによる1億ルピー(約1億6700万円)の支援に加える形となる。
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Air India
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