エンブラエルは現地時間6月10日、来週16日に開幕する「第55回パリ航空ショー」で、次世代リージョナルジェット機E195-E2と、双発の多目的中型輸送機C-390「ミレニアム」の展示飛行を実施すると発表した。

パリ航空ショーで飛行展示するE195-E2(写真はファンボローで展示飛行するデモ機)=24年7月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
パビリオンでは飛行展示する2機種に加え、軽攻撃・練習機A-29「スーパートゥカーノ(スーパーツカノ)」なども地上展示する。
また、エンブラエル系の独立企業で、eVTOL(電動垂直離着陸機)を手掛けるEve Air Mobility(イブ・アーバン・エア・モビリティ)も出展し、eVTOLの最新情報などを発表する。
E2シリーズは、従来のエンブラエル170(E170)とE175、E190、E195で構成する「Eジェット」(E1)の後継機で、E175-E2とE190-E2、E195-E2の3機種で構成。新型エンジンや新設計の主翼、主脚の格納した際のドアなどで、燃費を向上させた。1クラス構成の標準座席数は、E175-E2が88-90席、E190-E2が106-114席、E195-E2が132-146席となる。
C-390はエンブラエルが開発した双発の中型輸送機で、2015年2月3日に初飛行。最大ペイロードは26トン、航続距離は26トン搭載時が2000キロ(1080海里)、フェリー時が6241キロ(3370海里)、最高巡航速度はマッハ0.80(470ノット)で、貨物や物資、部隊の輸送、捜索救助など、多目的に運用できる。ロッキード・マーチンのターボプロップ戦術輸送機C-130「ハーキュリーズ」の置き換えなどで採用が進んでいる。

パリ航空ショーで飛行展示するエンブラエルのKC-390=24年7月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
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