インド最大の航空会社インディゴ(IGO/6E)と、デルタ航空(DAL/DL)、エールフランス航空(AFR/AF)とKLMオランダ航空(KLM/KL)を傘下に持つエールフランス-KLM、ヴァージン・アトランティック航空(VIR/VS)の4者は現地時間6月1日、欧州・北米方面への接続強化に向けた協業を拡大すると、インドのデリーで発表した。インディゴ以外は航空連合「スカイチーム」の加盟社で、販売分野に加えて整備や訓練など幅広い分野での協業を視野に入れた。

インドのデリーで協業を発表するインディゴ、デルタ航空、エールフランス-KLM、ヴァージン・アトランティック航空のトップと客室乗務員ら=25年6月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
インディゴは、AF-KLMとヴァージンとは2022年から提携しており、各社の乗客がインディゴが就航しているインド国内30都市以上へ乗り継げるようになっている。デルタとの新たな協業により、アムステルダムやマンチェスターを起点とした、欧米各地への大西洋ルートでの接続が広がる。
現在はアムステルダムを拠点とするKLMの欧州域内30都市への便や、KLMとデルタによる北米路線、ヴァージンによるマンチェスター発の米国路線との接続が進んでいる。今後は販売契約や規制上の手続きが完了次第、インディゴの6E便名での航空券販売が可能になり、欧米方面への利便性が高まる。

インドのデリーで協業を発表するデルタ航空のエド・バスティアンCEO(左)とインディゴのピーター・エルバースCEO=25年6月1日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
また、KLMがアムステルダム-ハイデラバード線を今年9月に開設予定で、インディゴはハイデラバードを経由した24都市への接続を担う見込み。デルタ航空は、政府承認を前提に、アトランタ-デリー線の直行便を再開する計画で、サービス開始時期は追って発表するという。
今回の覚書には、両国間または多国間でのより深い協業体制構築の枠組みが含まれている。販売分野ではネットワーク、マイレージ、貨物、セールスに関する協業を想定しており、いずれも規制当局の承認が前提となる。また、販売以外の分野でも航空機整備やサステナビリティ、訓練、地上支援などの協力分野が検討されており、共同顧客への効率的なサービス提供を目的として、テクノロジーを活用した高度な協業体制の構築を視野に入れている。
インディゴは、機体とパイロット以外の乗員などをリースする「ダンプリース」で運航するボーイング787型機を年内に6機体制へ拡充する計画。また、エアバスA350-900型機を30機確定発注しており、最大70機の追加オプション契約も締結している。787やA350が加わることで長距離路線を拡大できるようになり、将来的なデルタ、エールフランス、KLM、ヴァージンとの協業強化につなげる。
一方、インディゴは日本航空(JAL/JL、9201)とも提携。インディゴが運航するインド国内線とJALのインド路線を対象に、2024年12月からコードシェア(共同運航)便の航空券を販売しており、日本経由でアジアと北米を結ぶ3国間流動の取り込みを進めている。
関連リンク
IndiGo
デルタ航空
Air France-KLM
エールフランス航空
KLMオランダ航空
Virgin Atlantic
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