エアライン, ボーイング, 機体, 空港, 解説・コラム — 2025年6月1日 06:50 JST

JAL、成田－シカゴ就航　777-300ERで北米・アジアの3国間流動取り込み

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　日本航空（JAL/JL、9201）は5月31日、成田－シカゴ線を週7往復（1日1往復）で開設した。ファーストクラスがあるボーイング777-300ER型機で運航する。既存の羽田－シカゴ線と合わせ、東京－シカゴ間は週14往復（1日2往復）となり、北米とアジアを結ぶ3国間流動を取り込む。JALが成田発着便にファーストクラスを設定したのは、2023年5月に運休した成田－ニューヨーク（JFK）線以来、約2年ぶりとなった。

成田発シカゴ行き初便JL56便を見送るJALのスタッフ＝25年5月31日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

　JALは東京－シカゴ間の2便目となる成田－シカゴ線の開設で、日本－北米間を強化するとともに、成田空港をハブとして東南アジア・インド－北米間の乗り継ぎ需要の取り込みを強化する。

　31日に成田空港で取材に応じたJAL成田空港支店の濱田健・副支店長は「シカゴは米国中部の主要都市。共同事業（ジョイントベンチャー）のパートナーであるアメリカン航空（AAL/AA）のハブ空港のひとつ」と説明。シカゴで米国中東部への接続需要を取り込む。

JALの777-300ER ファーストクラス＝PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

成田－シカゴ線の概要を説明するJAL成田空港支店の濱田健副支店長＝25年5月31日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

　乗り継ぎ需要は全体の30％程度、日本人と外国人の比率は外国人が約80％を想定。8席あるファーストクラスは6割程度、49席のビジネスクラスは8割程度の搭乗を見込んでいる。

　アメリカン航空のハブであるシカゴからは、米国内線で約130空港に接続し、国際線は北米や中南米など13路線を擁する。

　31日の初便シカゴ行きJL56便（777-300ER、登録記号JA735J）は、乗客235人を乗せて成田を午後6時18分に出発し、A滑走路（RWY34L）から同43分に離陸してシカゴへ向かった。

成田空港のチェックインカウンター前に展示されたJALのシカゴ線ゆかりの品々を紹介するスタッフ＝25年5月31日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

成田空港62番搭乗口でシカゴ行き初便JL56便の乗客に記念品を渡すJALの濱田成田空港副支店長ら＝25年5月31日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

成田発シカゴ行き初便JL56便を見送るJALのスタッフ＝25年5月31日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

　成田－シカゴ線の運航スケジュールは、シカゴ行きJL56便が成田を午後6時15分に出発し、午後4時着。成田行きJL55便は午後0時30分にシカゴを出発して、翌日午後3時15分に到着する。9月1日から夏ダイヤ最終日の10月25日までは、シカゴ着が午後3時45分、シカゴ発は午後0時10分となる。

　777-300ERの座席数は4クラス244席で、ファーストクラス8席、ビジネスクラス49席、プレミアムエコノミークラス40席、エコノミークラス147席。後継機のエアバスA350-1000型機が2024年1月24日に就航したことから、13機あった777-300ERには退役機が出てきており、27日には初号機（JA731J）がラストフライトを終え、現在は11機が稼働している。

　JALがシカゴに営業所を開設したのは1954年12月6日。初乗り入れは1971年1月8日で、DC-8Fによる貨物貸切便だった。旅客定期便はシアトル経由の成田－シカゴ線を1983年4月1日に開設し、1986年4月2日からは直行便となり、成田－シカゴ線が週3往復、シアトル線が週2往復に分離された。2020年3月29日からは羽田発着となり、今回の就航でJALが成田からシカゴへ旅客定期便を運航するのは約5年ぶりとなった。

＊写真は18枚（運航スケジュールは写真下に掲載）。