全日本空輸(ANA/NH)の次世代国内線フラッグシップであるボーイング787-10型機の5号機(登録記号JA985A)が2月8日、就航した。初便は羽田発那覇行きNH993便で、羽田の65番スポットから午前6時55分(定刻同40分)に出発し、那覇には午前9時53分(同35分)に到着した。

羽田空港を出発するANAの787-10国内線仕様5号機による初便の那覇行きNH993便=25年2月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
5号機は、現地時間1月29日にボーイングの最終組立工場がある米サウスカロライナ州のノースチャールストンをフェリーフライトの羽田行きNH9397便として出発。これまでの4機と同じくロサンゼルスとホノルルを経由し、羽田には2月1日午後7時52分ごろ到着した。
就航初日の8日は、初便の羽田発那覇行きNH993便と折り返しの羽田行きNH994便、羽田発広島行きNH679便と折り返しの羽田行きNH680便、羽田発広島行きNH683便と折り返しの羽田行きNH686便の計3往復6便に投入を予定している。

羽田空港を出発するANAの787-10国内線仕様5号機による初便の那覇行きNH993便=25年2月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの787-10国内線仕様機のプレミアムクラス=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの787-10国内線仕様機の普通席=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
座席数は2クラス429席(プレミアムクラス28席、普通席401席)と、1998年に就航した777-300の2クラス514席(プレミアム21席、普通席493席)に次ぐ座席数を誇る。シートは2021年12月9日に就航した787-9の国内線新仕様機(2クラス375席:プレミアムクラス28席、普通席347席)と同じで、エンジンも同じくGE製GEnx-1Bを採用している。
プレミアムクラスは、サフラン・シート・US(旧ゾディアック・シート・US)製シートを採用し、座席配列は2-2-2席の1列6席。表面を従来の革張りから布地に変更することで、滑りにくくした。個人用モニターは、ANAの国内線用中大型機では最大クラスとなる15.6インチのタッチパネル式のものを採用している。
普通席は、自動車用シートを手掛けるトヨタ紡織製で、座席配列は3-3-3席の1列9席。個人用モニターは777用の11.6よりも大型化し、国内線普通席最大となる13.3インチ(最前列は10.1インチ)の薄型タイプを採用した。
ANAを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は、787-10の国内線仕様機を11機発注済みで、2026年度までに受領する計画。当初は2023年秋に就航予定だったが、ボーイングで787の納入遅延が発生している影響で、2024年3月17日に初号機(JA981A)を受領し、3月27日の羽田発札幌行きNH59便が就航初便となった。
*写真は6枚(初日の運航スケジュールは写真下に掲載)

羽田空港で出発を待つANAの787-10国内線仕様5号機=25年2月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港で出発を待つANAの787-10国内線仕様5号機=25年2月8日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
就航初日の運航スケジュール(定刻/実績/搭乗口)
NH993 羽田(06:40/06:55/65)→那覇(09:35/09:53)
NH994 那覇(10:25/10:50/32)→羽田(12:40/13:01)
NH679 羽田(13:30/13:51/59)→広島(15:00/15:13)
NH680 広島(15:45/16:06/待合室C)→羽田(17:10/17:29)
NH683 羽田(18:10/18:20/59)→広島(19:40/20:03)
NH686 広島(20:40/20:43/待合室C)→羽田(22:00/22:01)
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