MRJ, エアライン, 機体, 解説・コラム — 2023年3月1日 13:49 JST

JAL、スペースジェット補償金80億円 通期影響なし

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 日本航空(JAL/JL、9201)は2月28日、導入予定航空機に関する補償金として80億円を受領すると発表した。三菱重工業(7011)が開発中止を決定した「三菱スペースジェット(旧MRJ)」の補償金とみられる。2023年3月期の連結業績予想に与える影響はないという。

MRJ導入に基本合意し握手を交わすJALの植木社長(中央左)と三菱航空機の江川会長(ともに肩書きは当時)=14年8月28日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

開発中止が決定した三菱スペースジェット=19年12月10日 PHOTO: Kiyoshi OTA/Aviation Wire

 JALは9年前の2014年8月28日に、MRJ(当時)を32機すべてを確定発注する意向を表明。2015年1月28日に正式契約を締結した。ローンチカスタマーの全日本空輸(ANA/NH)は確定15機とオプション10機の最大25機で、発注総数と確定発注ともJALがANAを上回っていた。

 計画ではJALグループのジェイエア(JAR/XM)が当時運航していたボンバルディアCRJ200(1クラス50席)を退役させた後、エンブラエル170(E170、1クラス76席)とエンブラエル190(E190、2クラス104席)による同一メーカー2機種体制を構築。その後、MRJを2021年に就航させ、ジェイエアが国内線で運航する計画だった。

 しかし、三菱重工は6回の納入延期を経て、今年2月7日に開発中止を正式発表した。

 JALの2023年3月期の通期業績予想は、売上収益が2022年3月期比98.9%増の1兆3580億円、EBIT(利払い・税引き前損益)は500億円の黒字、純損益が250億円の黒字で、2020年3月期以来3期ぶりの通期黒字を見込む。

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