エアライン — 2022年7月25日 22:24 JST

ZIPAIR、搭乗者数10万人突破 1年9カ月で

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 日本航空(JAL/JL、9201)が100%出資する中長距離LCCのZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)は7月25日、搭乗者数が20日に10万人を突破したことを明らかにした。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、2020年6月の就航初便は旅客機に貨物のみ搭載する貨物専用便となり、旅客便は同年10月からの運航で、約1年9カ月で到達した。

搭乗者数が10万人を突破したZIPAIR=22年7月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ZIPAIRの西田真吾社長は「ロサンゼルス線は、お盆明けくらいまでは完売状態」と述べた。「これで巡航速度くらいになると良いが、まだインバウンドが来られない」と、訪日客が入国できない点が課題だという。

 一方で、成田を中心に北米とアジアを結ぶ通過需要や、貨物需要は好調に推移しているという。また、6歳以下の子供運賃は定額とし、ロサンゼルス線の場合は1万円にしており、家族旅行の取り込みも手応えを感じていると話した。

 ZIPAIRは成田空港が拠点。2020年6月3日にバンコク(スワンナプーム)線を開設したが、ボーイング787-8型機(2クラス290席)に貨物のみ搭載する貨物専用便としてスタートした。2路線目のソウル(仁川)線も同年9月12日に貨物専用便で開設し、翌月10月16日のソウル行きZG41便が最初の旅客便となったものの、乗客は2人だった。船便の貨物コンテナ不足などで航空貨物の単価が高止まりしており、乗客数が少なくても運航を維持できた。

 現在はバンコク、ソウル、ホノルル、シンガポール、ロサンゼルスの5路線を4機の787-8で運航。2021年12月25日に就航したロサンゼルス線は、LCCでは世界初の太平洋横断路線で、今年12月には2路線目の米国本土路線となるサンノゼ線を開設する見通し。

 機材はいずれもJALが運航していた機体で、5号機と6号機は2機とも新造機を計画しているが、ボーイングの787の製造工程で問題が生じており、引き渡し時期が見えていない。

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機内の動画(YouTube Aviation Wireチャンネル
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写真特集・ZIPAIR 787-8の機内
(1)フルフラット上級席ZIP Full-Flatは長時間も快適
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