エアライン, ボーイング, 機体, 空港 — 2022年3月18日 11:38 JST

ANA、ウィーン経由初便出発 18時間かけフランクフルトへ

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 全日本空輸(ANA/NH)は3月18日、羽田発フランクフルト行きを直行便からウィーン経由に変更した。給油のために立ち寄る「テクニカルランディング」を行い、搭乗できる乗客数や貨物搭載量を増やした。

羽田空港を離陸するウィーン行きNH1923便。給油後はフランクフルトまでNH1925便として運航する=22年3月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 羽田-フランクフルト線は、18日以降の羽田発フランクフルト行きを直行便からウィーン経由に変更。定期便が就航しているウィーンで給油のみ実施し、乗客の乗降や貨物の搭降載は行わない。ANAによると、ウィーンで安定的に給油できる体制が整ったという。

 18日の羽田発フランクフルト行きは、経由地のウィーン行きNH1923便(ボーイング787-9型機、登録記号JA877A)として羽田を午前9時58分に出発した。定刻は午前8時55分発だったが、中国国内の飛行経路制限で1時間遅れた。ウィーンへは18日午後4時54分(定刻午後3時55分)に到着を予定している。

 給油後はフランクフルト行きNH1925便として午後6時40分にウィーンを出発し、最終目的地のフランクフルトには同日午後8時15分に到着する見込み。出発から到着までの定刻に基づく所要時間は18時間20分になり、これまでの南回り直行便の12時間30分よりも6時間程度伸びる。

 ロシアを迂回(うかい)する南回りの場合、従来のロシア領空を飛行するルートと比べて飛行時間が2時間程度長くなり、燃料を多く積む必要があるため、貨物の搭載量が減るなどの影響が出る。このため、旅客と貨物の需要動向に応じて、テクニカルランディングを実施することにした。

 追い風で飛ぶ復路は南回り直行便で、飛行時間は11時間30分。機材はボーイング787-9型機を引き続き使用する。座席数は3クラス215席で、ビジネスクラス48席、プレミアムエコノミー21席、エコノミークラス146席となる。

 羽田-ロンドン線とパリ線の欠航が続くことから、フランクフルト線と成田-ブリュッセル線を活用し、現地でANAと同じ航空連合スターアライアンスに加盟するルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)やグループ会社の便で欧州各地へ乗り継いでもらう。ANAによると、ロンドンなどへ向かう乗客が多いという。

*写真は5枚。

羽田空港を出発するウィーン行きNH1923便。給油後はフランクフルトまでNH1925便として運航する=22年3月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

最終目的地がフランクフルトの羽田発ウィーン行きNH1923便=22年3月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

最終目的地がフランクフルトの羽田発ウィーン行きNH1923便=22年3月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

羽田空港を離陸するウィーン行きNH1923便。給油後はフランクフルトまでNH1925便として運航する=22年3月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

3/18の羽田発フランクフルト行き
NH1923 羽田(08:55)→ウィーン(15:55)
NH1925 ウィーン(17:40)→フランクフルト(19:15)

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