エアバス, 機体 — 2021年11月16日 16:47 JST

ALC、エアバス機111機発注へ A350F貨物機も

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 エアバスは現地時間11月15日、航空機リース大手ALC(エア・リース・コーポレーション)とA350F貨物機を含む5機種111機の発注に向けて基本合意書(LoI)を締結したと開催中のドバイ航空ショーで発表した。A350Fは今年7月に開発が決定した大型旅客機A350をベースにした最新貨物機で、2025年の就航を目指している。

ALCがエアバス5機種111機発注に向け基本合意=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 基本合意の内訳は、A220-300が25機、A321neoが55機、A321neoの超長距離型となるA321XLRが20機、A330neoが4機、A350Fが7機。正式契約を締結すると、ALCはエアバスの最大顧客の一社となり、A220を最大数保有する顧客となる。

 A350Fは、競合機と比べて燃料消費量を20%以上削減し、2027年のICAO(国際民間航空機関)のCO2(二酸化炭素)排出基準に対応する唯一の新世代貨物機となる。7月に開発計画が承認されたが、詳細はまだ明らかになっておらず、ドバイ航空ショーでも新たな発表は行われていない。

 A350は標準型のA350-900と長胴型のA350-1000の2機種で構成。ボーイング777-300ER型機とほぼ同サイズのA350-1000をベースとした場合、ボーイングが777-200LRを基に開発した777Fよりも貨物を多く搭載できるようになる。現在の大型貨物機の新造機市場は、最大貨物搭載量が102トンの777Fがほぼ独占している。

 また、ALCとエアバスは数百万ドル規模のESG(環境・社会・企業統治)ファンドを立ち上げることで合意。同ファンドは、持続可能な航空開発プロジェクトへの投資を目的とし、将来的に航空機リースやファイナンス業界など、複数のステークホルダーに開放される予定だという。

関連リンク
Airbus

A350F
エアバス、A350貨物型開発へ 25年就航視野(21年7月31日)

エアバス、A350も増産 A320は月産45機に(21年5月28日)
JAL、A350-1000は計画通り23年度就航 ZIPAIRも新造機受領へ(21年5月7日)

777F
エミレーツ航空、777F貨物機を2機追加発注(21年11月15日)
ANAカーゴ、777F就航 日本初導入、大型貨物も輸送可に(19年7月2日)
ANA、777F貨物機お披露目 日本初導入、北米への輸送強化(19年6月13日)

写真特集・ANA 777Fお披露目
機内編 荷主席にコンセント完備の大型貨物機
外観編 “アオカケス”北米へ大型貨物

747-8
アトラスエアー、747-8F貨物機4機購入 最終生産分(21年1月12日)
747、2022年生産完了 737MAXは10-12月期納入再開(20年7月30日)

需要予測
ボーイング、39年までに新造機4.3万機需要 20年予測、大型機は需要減(20年10月7日)