エアライン — 2021年6月10日 17:44 JST

春秋航空日本、新社長にJAL米澤氏 株総後に連結子会社化

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 春秋航空日本(SJO/IJ)は6月10日、新社長に日本航空(JAL/JL、9201)の中国地区総代表を務めた米澤章氏(59)が就任すると発表した。29日開催予定の定時株主総会後に就任し、現社長の樫原利幸氏は退任する。同時に現在は少額出資にとどめているJALが同社株の過半数を取得し、連結子会社化する見通し。

春秋航空日本の新社長に就任する米澤章氏(同社提供)

 米澤氏は兵庫県出身で、同志社大学商学部を1984年3月に卒業後、翌4月にJALへ入社。上海支店長や路線計画部長を経て、2011年6月から執行役員国際路線事業本部長、2018年4月から同中国地区総代表を歴任し、今年3月31日付で総代表を退任した。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束後は、JALが得意とする出張需要よりも、観光需要やVFR(友人・親族訪問)の回復が早いとの見方から、LCCビジネスの強化を進めており、中国市場の取り込みを目指す。

 春秋航空日本は、中国最大のLCCである春秋航空(CQH/9C)の子会社で、2014年8月1日に成田空港を拠点に就航した。2018年3月には、JALのパイロット出身の樫原氏が社長に就任。同年6月からはJALと整備子会社JALエンジニアリング(JALEC)へ航空機の管理を含めて整備業務を委託している。JALは月内に子会社化することを5月に発表しており、株主総会後に子会社化する。

 JALは5月7日に発表した2021-25年度中期経営計画で、LCC事業の売上をコロナ前の2019年度比で2025年度は約2倍に成長させる方針を示しており、100%出資する中長距離LCCのZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)、50%出資するカンタス航空(QFA/QF)系のジェットスター・ジャパン(JJP/GK)を加えた3社で、成田を拠点に異なるマーケットを取り込んでいく。

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