機体 — 2021年5月13日 23:59 JST

ダッソー、超長距離ビジネスジェットFalcon 10X開発 25年就航

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 ダッソー・アビエーションは、双発ビジネスジェット機Falcon 10X(ファルコン10X)を開発する。客室の高さを約2メートルとリージョナルジェット並みにし、航続距離は7500海里(約1万3890キロ)でニューヨーク-上海間をノンストップで飛行でき、2025年末の就航を目指す。静粛性や最新戦闘機の技術を活用した安全性を売りに、超長距離を飛べるビジネスジェットとして販売していく。

ダッソーが開発するFalcon 10Xのイメージイラスト(同社提供)

 客室の大きさは、幅が9フィート1インチ(2.77メートル)、高さが6フィート8インチ(2.03メートル)。現地時間5月6日の発表によると、ビジネスジェット市場でもっとも大きく、もっとも快適な客室を目指すとしており、ガルフストリームのG700やボンバルディアのGlobal 7500が対抗になるとみられる。

 加圧性能も市場で最も優れたものとなり、4万1000フィート(約1万2500メートル)上空で3000フィートの機内気圧を実現。Falcon 8Xと同等以上の静粛性を実現し、窓は約50%大きくなるという。胴体には38枚の窓が並び、客室はモジュール性を備え、同じ長さの4つのキャビンゾーンに分かれ、ダイニングや会議エリア、大画面モニターを備えたエンターテインメントエリア、クイーンサイズベッドを備えた寝室、専用シャワー室があるマスタースイートなど、インテリアをカスタマイズできる。

 最高速度はマッハ0.925で、翼には炭素繊維複合材を採用。エンジンはロールス・ロイス製Pearl 10X(パール10X)で、推力は1万8000ポンド以上を計画しており、Pearlシリーズ最新、最大のエンジンになる。

 操縦室はコックピット全体にタッチスクリーンを採用。ダッソーの最新軍事技術から派生した次世代デジタルフライトコントロールシステムは、シングルボタン・リカバリー・モードを備える。また、HUD(ヘッドアップディスプレイ)などを採用することで、視界がゼロでも運航できるという。

ダッソーが開発するFalcon 10Xの機内(イメージイラスト、同社提供)

ダッソーが開発するFalcon 10Xのコックピット(イメージイラスト、同社提供)

ダッソーが開発するFalcon 10XのエンジンPearl 10X(イメージイラスト、同社提供)

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