官公庁 — 2020年5月1日 17:38 JST

国交省の飲酒機長、60日間の乗務停止 那覇で泡盛など6杯

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 国土交通省航空局(JCAB)は、那覇空港で乗務前の同省飛行検査センター所属の機長から規定値を超えるアルコールが検出されたことについて、4月28日付で60日間の航空業務停止処分を下した。当該機長は免許を一時返納し、処分が明ける6月27日まで乗務できない。

飲酒機長が乗務予定だった飛行検査センターのCJ4(資料写真)=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 アルコールが検出されたのは、中部空港にあるJCAB交通管制部運用課飛行検査センター所属の40代男性機長。機長は2019年12月23日午前7時に、検査センターの飛行検査機(サイテーションCJ4)に搭乗し、供用前の那覇空港第2滑走路を検査飛行する予定だった。

 機長は午前6時ころに乗務前のアルコール検査を受けたところ、規定値を超えるアルコール量0.278mg/lが検出された。その後、機長は乗務を中止した。

 JCABによると、機長は乗務前日の12月22日に、那覇市内の飲食店2軒で飲酒。1軒目は午後4時から午後5時30分まで、2件目は午後5時40分から午後7時30分まで、生ビールとハイボール、ロックの泡盛をそれぞれ2杯ずつ、計6杯を飲んだという。

 航空各社では2018年から、乗務前のパイロットから規定値を超えるアルコールが検出されるトラブルが頻発。各社を監督するJCABは2019年10月から、業務に支障を及ぼす可能性のある過度な飲酒を禁止するなど、パイロットの飲酒問題対策を強化している。

 日本航空(JAL/JL、9201)は、2018年10月28日にロンドン発羽田行きJL44便の乗務前の男性副操縦士(当時、懲戒解雇)が過度な飲酒により英国で身柄を拘束され、現地で禁錮10カ月の判決が言い渡された事件を含め、2019年9月までに発生した4件の飲酒問題について、JCABから事業改善命令を1年間で2回受けている。

 全日本空輸(ANA/NH)は2019年11月に、福岡発羽田行きNH242便の40代男性機長(当時、懲戒解雇)から乗務前のアルコール検査で、規定値を超えるアルコール量0.22mg/lが検出された。機長は乗務から外れ、同年12月には懲戒解雇処分を受けた。

関連リンク
国土交通省

当該機長が所属する飛行検査センター
国交省、新飛行検査機を3機受領 19日初飛行、年内にも検査投入(15年10月15日)
飛行検査機の新拠点、中部空港で移転式典 国交省の飛行検査センター(15年5月16日)

民間には厳しく
国交省、ANA機長飲酒で事業改善命令 民間は厳しく(20年5月1日)

飲酒対策を強化
国交省、パイロット飲酒対策強化 乗務8時間前でも過度な飲酒禁止(19年10月9日)

頻発した飲酒問題
ANA、CAからアルコール検出で国内線4便遅延 乗務前検査で(20年1月4日)
ANA、飲酒機長を懲戒解雇 11月に国内線4便遅延(19年12月11日)
国交省、ジェットスター・ジャパンに業務改善勧告 関空便で機長2人飲酒(19年11月30日)
国交省、スターフライヤーに業務改善勧告 台北便副操縦士から乗務前アルコール検知(19年11月29日)
ANA機長からアルコール検出 国内線4便遅延、乗務前検査で(19年11月7日)
JAL、意識改革と管理強化でパイロット飲酒根絶目指す 事業改善命令で報告書(19年10月23日)
国交省、JALに再び事業改善命令 パイロット飲酒、赤坂社長「傍観者いてはいけない」(19年10月8日)

3月オープンの那覇第2滑走路
【動画】上空から見た那覇空港第2滑走路 JTAが供用開始記念の視察フライト(20年4月5日)
那覇空港、第2滑走路オープン JTA機長「違う空港みたい」(20年3月26日)