エアライン — 2019年11月7日 21:05 JST

ANA機長からアルコール検出 国内線4便遅延、乗務前検査で

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 全日本空輸(ANA/NH)は11月7日、乗務前の40代男性機長からアルコール検査で基準値を超える数値が検出され、乗務予定だった福岡発羽田行きNH242便(ボーイング777-300型機、登録記号JA754A)など国内線4便が、パイロット交代の影響で最大1時間以上遅れ、1955人に影響が及んだと発表した。

機長からアルコール反応が検出され4便が遅延したANA(資料写真)=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 7日午前6時57分に、機長が福岡空港で乗務前アルコール検査を実施したところ、規定値を超えるアルコール量0.22mg/lが検出され、機長を乗務から外した。規定値はANAが使用しているストロータイプの検査機器が測定できる下限値0.05mg/lで、アルコールが検出された時点で規定違反となる。

 機長は乗務前日の6日午後5時5分に福岡空港へ到着して勤務を終え、宿泊先のホテルへ向かった。飲酒をしたのは午後8時ごろから午後10時ごろまでで、福岡市内の居酒屋でビール(500ml)を4本飲み、午後10時30分ごろホテルへ戻り就寝した。ANAの規定では、乗務開始12時間前までに飲酒を終える必要があり、この機長が飲酒できる時間帯は午後7時までだった。このため、アルコール値だけではなく、飲酒した時間も規定に反していた。

 ANAによると、機長は規定時間を超えて飲酒した理由について、「滞在先で気が緩んでしまった」と話しているという。処分については今後決定する。

 遅延したのはNH242便のほか、福岡発羽田行きNH244便(777-200ER、JA717A)、羽田発那覇行きNH469便(777-300、JA754A)、那覇発羽田行きNH468便(777-300、JA754A)の国内線4便だった。

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