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国交省の飲酒機長、60日間の乗務停止 那覇で泡盛など6杯

 国土交通省航空局(JCAB)は、那覇空港で乗務前の同省飛行検査センター所属の機長から規定値を超えるアルコールが検出されたことについて、4月28日付で60日間の航空業務停止処分を下した。当該機長は免許を一時返納し、処分が明ける6月27日まで乗務できない。

飲酒機長が乗務予定だった飛行検査センターのCJ4(資料写真)=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 アルコールが検出されたのは、中部空港にあるJCAB交通管制部運用課飛行検査センター所属の40代男性機長。機長は2019年12月23日午前7時に、検査センターの飛行検査機(サイテーションCJ4)に搭乗し、供用前の那覇空港第2滑走路を検査飛行する予定だった。

 機長は午前6時ころに乗務前のアルコール検査を受けたところ、規定値を超えるアルコール量0.278mg/lが検出された。その後、機長は乗務を中止した。

 JCABによると、機長は乗務前日の12月22日に、那覇市内の飲食店2軒で飲酒。1軒目は午後4時から午後5時30分まで、2件目は午後5時40分から午後7時30分まで、生ビールとハイボール、ロックの泡盛をそれぞれ2杯ずつ、計6杯を飲んだという。

 航空各社では2018年から、乗務前のパイロットから規定値を超えるアルコールが検出されるトラブルが頻発。各社を監督するJCABは2019年10月から、業務に支障を及ぼす可能性のある過度な飲酒を禁止するなど、パイロットの飲酒問題対策を強化している。

 日本航空(JAL/JL、9201)は、2018年10月28日にロンドン発羽田行きJL44便の乗務前の男性副操縦士(当時、懲戒解雇)が過度な飲酒により英国で身柄を拘束され、現地で禁錮10カ月の判決が言い渡された事件を含め、2019年9月までに発生した4件の飲酒問題について、JCABから事業改善命令を1年間で2回受けている。

 全日本空輸(ANA/NH)は2019年11月に、福岡発羽田行きNH242便の40代男性機長(当時、懲戒解雇)から乗務前のアルコール検査で、規定値を超えるアルコール量0.22mg/lが検出された。機長は乗務から外れ、同年12月には懲戒解雇処分を受けた。

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