今年で25周年を迎えた日本航空(JAL/JL、9201)の客室乗務員有志によるハンドベル演奏チーム「JALベルスター」。毎年テーマを定めて活動しているが、令和最初となることから英語で令和を示す「beautiful harmony(美しい調和)」にちなみ、「Fly of harmony(フライ・オブ・ハーモニー)」を掲げて10月から練習に励んできた。
ベルスターの結成は1995年。前年のメンバー1人が翌年も参加することで、演奏技術などを継承してきた。今年は「平成最後」も経験した入社3年目の宍戸咲希さんが、その大役を担った。今回のメンバーは入社1年目から4年目までの8人で、全員がピアノ経験者。トランペットやトロンボーンなどの管楽器に加え、ハンドベル経験者も2人いたことから、宍戸さんを含めた3人で教えることができたという。
「昨年と比べて練習が予定よりも早く進み、合奏できる時間が多かったです」と振り返る宍戸さん。合奏練習の機会は8回しかないが、例年よりも息の合った演奏が披露された。コンサートは定番のクリスマスソング『サンタが街にやってくる』でスタートし、JALの機内で搭乗時に流れるイメージソング『I Will Be There with You(アイ・ウィル・ビー・ゼア・ウィズ・ユー)』、自らアレンジした『パプリカ』など、9曲を披露した。
21日の羽田空港国内線第1ターミナルでは歴代制服を着用し、22日の国際線ターミナルは現行10代目制服でそろた。羽田公演2日目の22日は、パイロット有志による「空飛ぶ合唱団」のメンバーがステージ終盤にダンスで参加し、同じ羽田空港内の公演でも変化をつけていた。
JALが入社年次の浅い客室乗務員にハンドベルを経験させる理由のひとつは、機内でのチームワーク作りにつなげることだ。2010年1月19日の経営破綻により、客室乗務員の採用を中断したことから新入社員の参加も一時途絶えたが、2013年に再開している。
「昨年参加したことで、乗務に役立ったことはすごくあります。機内では離れたところにいる客室乗務員とやり取りすることもあるのですが、アイコンタクトなどで伝えるのはハンドベルと同じです」と、より相手に伝えやすい方法を瞬時に考えることにもつながっている。
今年のコンサートは、11月30日と12月1日の函館を皮切りに、7日と8日に札幌、11日に熊本、15日に福井と各地を巡った。21日から都内での公園が始まり、クリスマスの25日の六本木ヒルズが現メンバーにとってラストになる。
「25周年と令和最初、現行制服最後といろいろあったので、今回はアレンジに歌も加えてみました。羽田では歴代制服でも演奏しましたが、25日は現行制服で一番良いステージンしたいです」と、宍戸さんは気合いを込めて抱負を話してくれた。
25日は、六本木ヒルズカフェで2回演奏。1回目は午後6時から、2回目は午後7時30分からで、いずれも30分間のステージとなる。
*写真は15枚。
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日本航空
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