MRJ, エアライン, 機体 — 2019年2月27日 12:09 JST

MRJのTC飛行試験遅延、ANAHD片野坂社長「機材計画の調整考えていない」

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 ANAホールディングス(ANAHD、9202)の片野坂真哉社長は2月26日、2020年中ごろの受領を計画している三菱航空機のリージョナルジェット機「MRJ」について、現時点で機材計画を見直す考えはないと語った。

ファンボロー航空ショーの会場上空で飛行展示の予行演習をするMRJ=18年7月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 MRJは、国土交通省航空局(JCAB)のパイロットが機体の安全性などを審査する「TC飛行試験(型式証明飛行試験)」を、1月下旬から米国で実施予定だったが、審査開始が遅れている。

 片野坂社長は、「飛行試験の遅れについては、ちょっと聞いたというのが正直なところ。これまで5回遅延したが、2020年半ばにデリバリー(納入)するコミット(確約)をいただいている。三菱重工業(7011)からもしっかりやると聞いており、信頼している」と語った。

 MRJの納入遅延に伴い、ANAHDでは経年機の退役スケジュール見直しや、ボンバルディアのターボプロップ機Q400(DHC-8-Q400)を新規購入するなど、これまでに機材計画を見直した経緯がある。今回のTC飛行試験の遅れについては、「現時点で機材計画を調整することは考えていない」(片野坂社長)と語った。

 三菱航空機の親会社で、MRJを製造する三菱重工は、4月1日付で泉澤清次常務が新社長に昇格する。一方、MRJは会長に退く宮永俊一社長が直轄してきたことから、当面は宮永氏がプロジェクトを引き続きリードしていく。

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