ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下の日本貨物航空(NCA/KZ)は9月4日、成田-フランクフルト線の貨物専用便を就航させた。成田発は経由便、フランクフルト発は直行便となり、最大133トン積めるボーイング747-8F貨物機で週2往復運航する。

成田空港でフランクフルト線就航を祝うNCAの本間啓之社長ら(同社提供)
運航日は成田発が木曜と土曜、フランクフルト発が金曜と日曜。成田発は曜日により経由地が異なり、木曜発はアンカレッジとアムステルダム、土曜発はアンカレッジを経由する。
フランクフルトへ向かう初便のKZ6便(747-8F、登録記号JA16KZ)には、パレットとコンテナ含めて総重量113.8トンの貨物を搭載し、成田の902番スポットから出発。経由地アムステルダム向けが84トン、最終目的地のフランクフルト向けが23トンとなった。フランクフルトへの貨物の内訳は、日本発が約5トンと上海発が約18トンで、積荷は日本発が医療機器パーツや電子部品、上海発はパソコンや自動車部品、服飾類だった。

NCAの747-8F=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
ジャンボの愛称で親しまれている747の最新型で最終型となった747-8Fは、日本ではNCAが唯一運航。機体先端の「ノーズカーゴドア」を使うことで、ほかの貨物機には搭載できない長尺貨物も対応でき、特大貨物や大量輸送を担っている。
フランクフルト線の運航スケジュールは、木曜の成田発KZ6便が午後9時5分にアンカレッジへ出発し、午前11時に着く。午後0時30分にアンカレッジを出発後、アムステルダムへ翌日午前7時15分に到着する。アムステルダム発からはKZ55便に便名が変わり、午前11時20分に出発して、フランクフルトには午後0時30分に着く。その後、午後2時45分にフランクフルトを出発し、成田には翌日午前10時55分に戻る。
土曜の成田発KZ40便は午後11時15分にアンカレッジへ出発し、午後1時10分着。午後2時40分にアンカレンジを出発して、フランクフルトへ翌日午前10時に着く。成田行きKZ41便は午後1時45分にフランクフルトを出発し、翌日午前9時55分に到着する。
NCAのフランクフルト線は、2002年2月から2009年9月までフランクフルト・マイン空港に、2012年9月から2019年12月まではフランクフルト・ハーン空港にそれぞれ乗り入れていた。2009年9月の休止はリーマンショック、2019年12月は全機運航停止に伴うネットワーク再編によるもので、約6年ぶりの再開となった。
NCAは今年5月8日に就航40周年を迎え、8月にはANAHDがNCAを完全子会社化し、ANAグループに加わった。欧米への貨物便を多く運航するNCAを、8度の延期を経て傘下に収めたことで、ANAグループはエアライン事業の利益拡大を目指す。NCAが加わったことで、ANAグループの航空貨物事業は輸送重量ベースで世界14位となっている。
運航スケジュール
KZ006 成田(21:05)→アンカレッジ(11:00/12:30)→アムステルダム(翌日07:15)運航日:木
KZ055 アムステルダム(11:20)→フランクフルト(12:30/14:45)→成田(翌日10:55)運航日:金
KZ040 成田(23:15)→アンカレッジ(13:10/14:40)→フランクフルト(翌日10:00)運航日:土
KZ041 フランクフルト(13:45)→成田(翌日09:55)運航日:日
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