エアライン, ボーイング, 機体, 空港 — 2025年5月8日 17:50 JST

NCA、就航40周年　747-8Fに記念デカール、反省生かし大きめに

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　日本貨物航空（NCA/KZ）は5月8日、就航40周年を迎えた。保有するボーイング747-8F貨物機に記念ロゴをデザインしたデカールを貼付し、40周年をアピールする。就航記念日となった8日に、成田空港にある同社格納庫で記念ロゴを貼付した機体（747-8F、登録記号JA12KZ）をお披露目した。

就航40周年記念ロゴを導入したNCAの747-8F＝25年5月8日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

—記事の概要—
・747-8F全8機に順次導入
・設立から就航まで約7年

747-8F全8機に順次導入

　40周年記念のデカールはタテ245センチ、ヨコ492センチ。機体後方の左右に貼付する。保有する全8機が対象で、2026年3月31日まで全路線で運航する。現在までに今回お披露目したJA12KZを含む2機に貼り付け済みで、残り6機にも順次導入していく。

　デカールは、滑走路と機体を組み合わせたデザインに仕上げた。NCAは今後、全日本空輸（ANA/NH）を傘下に持つANAホールディングス（ANAHD、9202）の子会社に収まる予定で、NCAによると「ゼロからのスタート」という意味も込めたデザインにしたという。記念デカールは就航30周年を迎えた2015年にも導入し、今回と同じ機体後方に貼付したが、目立たなかった反省を生かし、40周年は大きめに仕上げたという。

　NCAは現在、日本郵船（9101）の100％子会社だが、ANAHDは2023年3月7日に、NCAの完全子会社化で日本郵船と基本合意。ANAHDは子会社化を進めているものの、中国の関係当局による企業結合審査の完了に時間を要していることから延期を繰り返している。現在のところ、完全子会社化に関する株式交換の効力発生日は5月23日を予定している（関連記事）。

就航40周年を迎えたNCA＝25年5月8日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

設立から就航まで約7年

　NCAは成田空港開港と同年の1978年9月21日に設立。川崎汽船（9107）と日本郵船、ANAのほか、商船三井（9104）の前身・大阪商船三井船舶と山下新日本汽船の2社を含めた計5社が株主だった。就航は40年前の1985年5月8日で、米国をはじめとする国どうしの調整などが難航したため、設立から就航までに約7年かかった。

　1路線目はサンフランシスコ経由の成田－ニューヨーク線で、週6往復運航した。当時の機材は747-200Fで、40年前の就航当初は初号機（JA8167）と2号機（JA8168）の2機体制。就航当初の機材はANAが発注したものだった。

　現在は米国5都市（シカゴ、アンカレッジ、ロサンゼルス、ニューヨーク、ダラス）とアジア5都市（上海、香港、シンガポール、バンコク、台北）、欧州2都市（アムステルダム、ミラノ）の計12都市に自社便を運航し、ルクセンブルクとバクーの2都市はコードシェア（共同運航）として乗り入れている。

　機材は747-8Fが8機で、1機あたり最大133トン搭載できる。大型貨物機の特徴を生かし、大型の半導体製造装置のほか、競走馬も輸送する。NCAによると馬は後ろ向きに進むことができないため、機体の主翼後部にあるサイドカーゴドアから機内に搬入し、機体の先端にあるノーズカーゴドアから搬出するという。このほかコンサートで使用する大型機材の輸送も担い、過去には米人気歌手の機材を台北へ輸送したという。