エアライン, 空港, 解説・コラム — 2016年3月29日 01:10 JST

スカイマーク、民事再生手続き終結 路線認知度に課題

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 2015年1月に経営破綻したスカイマーク(SKY/BC)が3月28日、東京地方裁判所が民事再生手続きの終結を決定したと発表した。2018年度までの中期経営計画も策定し、再建を加速させる。

—記事の概要—
スケジュール通り進む
18年度に売上高800億円超、営業益70億円超
撤退空港へ再就航検討も
路線認知度に課題

スケジュール通り進む

民事再生手続き終結と中期計画について説明するスカイマークの佐山会長(左)と市江社長=16年3月28日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 スカイマークは2015年1月28日に、東京地裁へ民事再生手続きの開始を申し立てた。確定債権は総額約1543億円で、ANAホールディングス(9202)などスポンサーが出資した180億円を弁済原資とし、約161億円を債権者への弁済に充てた。

 申立代理人の倉橋博文弁護士は、「債権が確定していない5人を除き、弁済が終わった」と説明。残る債権者への弁済は、数カ月で終える見通しだという。

 また、民事再生手続きの終結とともに、東京地裁からの監督命令も取り消しが決定された。監督委員の多比羅誠弁護士は「私の任務も終了した。これだけの案件では、裁判所が定めたスケジュール通りに行かないことが多いが、関係者の努力で進んだ」と述べ、債権者集会などの日程が当初の予定通りに進んだことを評価した。

18年度に売上高800億円超、営業益70億円超

 スカイマークは同時に、2016年度から2018年度までの中期経営計画を策定。新生スカイマークとして再生を果たし、新たな成長に向かうことをコンセプトとした。安全や整備体制の強化だけではなく、定時性などの運航品質やサービスの向上、社員の満足度向上などを経営テーマに掲げた。

 破綻した2014年度(15年3月期)の通期売上高は809億4600万円(前年同期比5.8%減)、営業損益は176億3500万円の赤字(同25億600万円の赤字)、経常損益は166億8500万円の赤字(同4億300万円の赤字)、純損益が202億1800万円の赤字(同18億4500万円の赤字)だった。

 これに対し、2015年度の売上高は700億円強、営業利益は原油価格の下落もあり、15億円強となる見通し。2018年度には売上高800億円超、営業利益70億円超の達成を目標に掲げた。

 市江正彦社長は、「現在ボーイング737-800型機(1クラス177席)が26機あり、20機運航している。これを24機まで稼働を高めることで売上増につなげる」と語った。現在は耐空証明が切れた機体が2機あり、稼働率が落ちていることから、整備体制の強化とともに、運航体制を改善していく。

 また、ユニットコストについては、市江社長は「現在は8.5-8.6円。8円を目指す」と語った。

撤退空港へ再就航検討も

 国際線チャーター便については、2018年度の実現を目指して検討を進める。「1年目の16年度は足場固めで無理。2年目はプランを考えていきたい。3年目は出来ればチャーターを飛ばしたい」(市江社長)と抱負を述べた。

 一方、日本から737で飛べる近距離国際線は、国内外のLCCが参入しており、競争が激化している。航続距離の関係から、就航地としては「東アジアや東南アジア、グアム、サイパン」(市江社長)を念頭に検討を進める。

 経営破綻により、路線を縮小した国内線について、市江社長は仙台や石垣、宮古、米子、熊本といった撤退した空港への再就航も検討する考えを示した。「1年で撤退するようなことはしたくない」(市江社長)として、地元自治体や旅行代理店などとも意見交換を重ねた上で、慎重に判断していくという。

好調でコードシェア進まず

 出資するANAホールディングス傘下の全日本空輸(ANA/NH)とのコードシェアについて、スカイマークの佐山展生会長は「(搭乗実績が)好調なので、進んでいない」と現状を説明。10月に始まる冬ダイヤを含め、当面は実現しない。

 佐山会長は、「われわれはいつでもウェルカム。検討してもらえるなら、喜んでやらせてもらう」と、コードシェアの実現には前向きな姿勢を示した。

 コードシェア実現と密接な関係がある、ANAの予約システム「エイブル」の導入については、「インターフェースをかませれば、直接つながなくても利用できる。ANA次第だ」と語った。

 ANAホールディングスが株主であるエア・ドゥ(ADO/HD)やソラシドエア(旧スカイネットアジア航空、SNJ/6J)、スターフライヤー(SFJ/7G、9206)は、自社システムとエイブルを直結しているが、スカイマークは独立性を保つ観点から、エイブル直結を避ける方針を維持している。

路線認知度に課題

 一方、こうした計画を進めていく上で、佐山会長が懸念するのが、就航地での認知度。「アンケート調査で会社の名前は、大手2社を100%として99%。しかし、羽田-福岡線に対する福岡県民の認知度は69%で、羽田-札幌線について北海道民は61%の認知度だった」(佐山会長)と説明した。

 佐山会長は、「まだまだスカイマークがどのような会社で、どのように運航しているかが認識されていない」と述べ、定時性向上などで路線ネットワークの認知度を高めていきたいと述べた。

関連リンク
スカイマーク
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