エアライン — 2016年1月30日 06:45 JST

ANA、中南米など空白地帯へ進出 中期5カ年計画

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 全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(9202)は1月29日に発表した2016年度から2020年度までの5カ年に渡る中期経営計画で、中南米やアジアなどの「空白地帯」への路線展開を図る。首都圏からは、ホノルル路線にエアバスA380型機を導入する。(A380導入の詳細はこちら

2020年までに空白地帯への展開を図るANA=15年8月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 国際線は、10月30日に始まる2016年冬ダイヤ期間中に、成田-メキシコシティ線を開設。機材はボーイング787-8型機を予定している。このほか、ANAが現在未就航の中南米への乗り入れを計画する。また、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国への展開も強化し、2016年夏をめどにベトナム航空(HVN/VN)に出資。9月1日には成田-プノンペン線を開設する。

 長峯豊之・取締役執行役員は、ASEANの原加盟国5カ国(ASEAN5:シンガポール、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ)と、1990年代にASEANに加盟したCLMV(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)のうち、ANAはマレーシア以外の国々で、主要な航空会社と関係を構築していると説明。「ASEANを『面』で攻める」とした。

 国内線は、曜日ごとに運航機材を見直し、1週間の中で週末など高需要日と乗客数が減る週の中日で運航機材を使い分ける「ピタッとフリート」を推進することで、収益の維持・向上を図る。また、2018年中ごろに初号機の受領を予定するMRJを、地方路線を中心に導入する。

 100%子会社のバニラエア(VNL/JW)で展開するLCC事業は、ANA未就航地やリゾートなど、日本発のプレジャー路線や中国本土への乗り入れ、那覇からの国際線の開設などで訪日需要を強化する。

 バニラエアは2015年度、初の黒字化達成を見込む。2016年度以降は成長を加速させる。

 機材は2015年度末の見通しで、合計258機を保有。内訳はANAが250機、バニラエアが8機となっている。2020年度末の計画では、ANAが275機、バニラエアが25機、合計300機の保有を見込む。このうちボーイング777や787、エアバスA320/A321neoなど低燃費の機材は、2015年度末の約60%から2020年度末は約75%に増加させる。

 2020年度末の提供座席数(座キロベース)は2015年度と比較して、国際線は51%増、国内線は4%減、LCCは2.18倍を計画する。

関連リンク
ANAホールディングス
全日本空輸

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