MRJ, 機体 — 2014年8月19日 10:04 JST

MRJ、強度試験9月にずれ込み 10月ロールアウト

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 三菱航空機が開発中のリージョナルジェット機「MRJ」の強度試験が、当初予定の8月開始から9月にずれ込むことがAviation Wireの取材で明らかになった。

試験設備から見えるMRJの強度試験機=8月3日 PHOTO: Tatsuyuki TAYAMA/Aviation Wire

 試験開始の延期は、試験に必要な手続きなど準備に時間がかかっているためで、大きな開発遅延は生じない見通し。

 強度試験は型式証明や耐空性証明の取得に必要な試験で、大きく分けて2種類を実施する。

 機体の強度を保証する「全機静強度試験」では、運用中に予想される最大の力に耐えられるかを、試験場に置かれた機体全体に負荷をかけて検証。耐久性を保証する「全機疲労強度試験」では、想定する寿命に対して運用中に予想される繰り返しかかる力に耐えられるかを、負荷をかけて調べる。

 3日には、強度試験を実施する三菱重工業(7011)の小牧南工場(愛知県)に隣接するMRJ技術試験場を、報道関係者に公開した。

 三菱航空機では、強度試験用の機体とは別に、飛行試験機の初号機(登録番号JA21MJ)を製造中。6月26日には、米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)製のギヤード・ターボファン・エンジン「PurePower PW1200G」が取り付けられた。

 現在は装備品の取付や内部の配線、配管などの作業が進められており、ロールアウト(完成披露)は10月18日を目標としている。

 初飛行は2015年4-6月期、型式証明の取得は2017年上期を予定。航空会社への引き渡しは、2017年4-6月期となる見通し。

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