エアライン — 2026年7月15日 16:10 JST

ANA、都市と地方「二地域お試し居住」地域拡大 地方路線維持に一役

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 全日本空輸(ANA/NH)とグループ傘下で地域創生事業を手がけるANAあきんどは7月15日、都市と地方の2つの拠点で生活する「二地域居住」を体験できるプランの提供を始めた。初回の昨年度と比較し対象地域を拡大したほか、航空券代を補助する「航空サポート」を変更。路線ごとに設定していた定額料金を、電子クーポン「SKYコイン」(スカイコイン)の付与に変更する。国内の地方路線で課題となっている需要の落ち込みを、二地域居住により創出へつなげていく。

—記事の概要—
SKYコインで補助
地方路線の赤字が背景に

SKYコインで補助

「二地域居住」を支援するANAグループのポータルサイト「ANAの二地域居住 BLUE SKY LIFE」(同サイトから)

 二地域居住を体験できる「お試し二地域プラン」は、本来の居住地とは別の地域に拠点を持つもので、地域への滞在で暮らしやすさを実感し、地域との関わりも体験。各地域独ごとに設定する体験メニューへの参加で、航空移動の負担をサポートする。昨年度は「二地域居住モニタープログラム」の名称で展開していたが、今年度から名称を変更した。

 昨年度のサポートは、路線ごとに定額料金を設定。今年度はSKYコインの付与による「定額割引」に変更する。SKYコインは「選べるe-GIFT」を通じて付与し、参加者は希望の運賃を選択して決済する。SKYコイン付与は路線により異なり、往復で1万円分から3万円分。おおむね2万円分を付与する。ANAあきんどによると、プラン参加者の負担額は昨年よりも安くなるケースが多くなるという。

地方路線の赤字が背景に

 これまでの対象地域は3県9自治体で、今年度は参加自治体が1道8県の20自治体に倍増となった。展開期間は2027年2月28日までの約7カ月間に拡大し、開始日を昨年度から3カ月前倒しした。

 参加自治体は北海道釧路市と中富良野町、中川町、青森県黒石市、山形県酒田市、山口県岩国市、香川県観音寺市が新たに加わり、高知県は安田町、大豊町、仁淀川町、梼原町の4町のうち2町を訪問する新たなプログラムも始める。鳥取県米子市、智頭町、北栄町、江津市、高知県馬路村、本山町、大川村、佐賀県神埼市、有田町の9自治体は前年度に引き続き参画するが、鳥取県江府町と高知県須崎市の2自治体は今年度は参画しない。年度内に新たな参画自治体が加わり、計30自治体となる見通し。来年度は50自治体程度の参画を見込む。

 ANAグループは人口減少や超高齢化といった社会課題の解決と、持続可能な地域社会の実現を目指しており、「二地域居住モニタープログラム」を2025年10月15日にスタート。初年度の会員登録者数は1500人で、実際にモニターに参加した人は52人だった。

 ANAあきんど地域創生部長の松本有司執行役員によると、同プログラムの背景には国内地方路線の赤字が課題としてあり、コロナ後はビジネス需要が2割程度喪失したという。松本執行役員は一時的に訪問する観光人口では回復が困難だとの認識を示し、「観光ではなく生活し、行き来してもらうことで関係人口の拡大を目指す。新しい移動需要を創出する」と説明。「地道な取り組みが地方路線の維持には不可欠だ」と述べ、危機感をあらわにした。

関連リンク
ANAの⼆地域居住 BLUE SKY LIFE
ANAあきんど

「BLUE SKY LIFE」ポータル開設
ANA、都市と地方「二地域居住」ポータル開設 航空券支援や体験情報を提供(25年10月17日)

ANAの「ふるさとJET」
ANA、地域創生「ふるさとJET」就航 地方誘客へ自治体とタッグ(25年12月8日)

JALの二地域居住
JAL、札幌で「二地域居住」実証実験 航空券・住居をパッケージ、コンシェルジュがサポート(26年5月22日)
JALとJR東日本、東北6市町で「二地域居住」実証事業 新幹線利用でマイル付与(26年4月2日)
JR東日本とJAL、鉄道×航空「立体型観光」で人流創出 地方創生へ連携協定(26年2月6日)
JAL、福岡で2拠点居住支援 マイルで月4往復分(25年7月9日)
JAL、奄美2拠点居住をマイル支援 月4往復分(24年11月18日)
JAL、マイルで2拠点居住支援 大分で月4往復分(24年10月17日)