ANAホールディングス(ANAHD、9202)が出資するavatarin(アバターイン、東京・中央区)は、ローカル5Gネットワークとアバターロボットを活用した行政窓口の実証実験を東京都大田区で実施する。千束特別出張所にもアバターを配置し、複数拠点の業務を1人のオペレーターが遠隔で担う新たな「遠隔区民サービス」の効果を検証する。
avatarinが大田区で行う行政窓口の実証実験のイメージ(同社提供)
期間は10月20日から11月14日までの予定で、大田区役所本庁舎と千束特別出張所の2カ所にアバターロボット「newme(ニューミー)」を設置。操作は中央区のavatarinオフィスから行う。千束特別出張所での実証は10月27日から始める。
オペレーターは、「newme」を切り替えながら、窓口案内や手続き支援、問い合わせ対応といったフロアマネージャー業務を遠隔で担当。混雑状況に応じて対応を柔軟に切り替えながら、少人数で複数拠点を運営する有効性や、区民の満足度向上に寄与するかを検証する。
今回の取り組みは、東京都のスタートアップ支援事業「Tokyo NEXT 5G Boosters Project」の支援を受けて実施。実証の場を大田区が提供し、通信環境の整備はNECネッツエスアイ、ローカル5G基地局の提供と技術支援は東京大学大学院工学系研究科中尾研究室が担う。
avatarinは実証の企画・運営とアバター技術の提供を担当。業務設計とBPOノウハウの提供はアルティウスリンク(東京・新宿)、実証支援はキャンパスクリエイト(東京・八王子)が担う。
実証の背景には、今年3月に大田区が策定したDX推進計画がある。2040年を見据え、「人にやさしい窓口」を掲げた「窓口DXの推進」が重点施策の一つに位置づけられており、今回の実証では行政業務の変革に向けた産学官の連携を図る。ローカル5Gによる大容量・低遅延通信と、リアルタイムな遠隔操作を特徴とするアバター技術を組み合わせ、新たな行政サービスのあり方を探る。
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