エアライン, 官公庁, 解説・コラム — 2025年7月1日 19:46 JST

ANAのNCA子会社化、中国が条件付き認可 8度の延期経て8/1に株式取得

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 ANAホールディングス(ANAHD、9202)は7月1日、日本貨物航空(NCA/KZ)を完全子会社化する計画に対し、中国市場監督管理総局から条件付きで認可を取得したと発表した。8月1日に株式交換で全株を取得し、完全子会社化する。2023年7月の発表から、8度の延期を経て実現に至る。

NCAを子会社化するANA=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 中国当局が示した条件は3点。1つ目は、中国の航空会社が運航する定期便に対し、成田空港と関西空港で貨物のハンドリングを継続し、契約更新を拒否しないこと。2つ目は、中国の航空会社が日中路線へ新規参入や増便を実施する場合、成田と関西両空港で貨物ハンドリングを提供すること。3つ目は、成田-上海線で新規参入を希望する事業者に対し、ANAの貨物便が使用している発着枠(1日1往復分)を譲渡するよう、求めている。

 NCAの子会社化は、2023年7月10日の発表当初は同年10月1日を予定していた。その後、1回目の延期で2024年2月1日、2回目で4月1日、3回目で7月1日、4回目で2025年3月31日、5回目で5月1日、6回目で5月23日、7回目で7月1日、6月25日発表の8回目で8月1日に延期。今回の中国当局による審査完了を受け、8月1日付で完全子会社化が決まった。

 完全子会社化で、ANAHDは2026年3月期第2四半期連結決算から、NCAの貸借対照表と損益計算書を連結する予定としている。

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