エアバス, エアライン, 機体, 空港, 解説・コラム — 2025年5月1日 15:45 JST

JAL、A350-1000パリ就航 母国”里帰り”前に4機並び

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 日本航空(JAL/JL、9201)は5月1日、新たな国際線フラッグシップであるエアバスA350-1000型機を羽田-パリ線に就航させた。当初は隔日で投入し、5日から6月30日までは機材繰りにより期間限定で毎日運航となる。A350-1000はフランス南部のトゥールーズで最終組立が行われており、JALのエアバス機が母国フランスへの定期便に初めて投入された。

羽田空港の111番から114番スポットに並ぶJALのA350-1000。(左から)6号機JA06WJによるロンドン行きJL43便、初号機JA01WJのパリ行き初便JL45便、8号機JA08WJのニューヨーク行きJL6便、5号機JA05WJのダラス行きJL12便=25年5月1日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 就航初日の1日は、羽田発パリ行き初便となったJL45便の乗客に記念のクッキーがプレゼントされ、ファーストクラスラウンジでは、A350-1000のパリ就航にちなみ、ブイヤベース、マカロン、肉の盛り合わせ「シャルキュトリー」が用意され、JALによると午前中だけで70食が出たという。

 初便のJL45便(A350-1000、登録記号JA01WJ)は、乗客232人(幼児ゼロ)と乗員18人(パイロット4人、客室乗務員14人)を乗せ、羽田の112便スポットから午前10時27分に出発し、C滑走路(RWY16L)から同52分に離陸。パリには現地時間同日午後5時45分に到着する見通し。

 JL45便の出発前には、4機のA350-1000が並んだ。111番スポットに定刻午前9時45分発のロンドン(ヒースロー)行きJL43便(JA06WJ)、112番にパリ行きJL45便(JA01WJ)、113番に午前11時5分発のニューヨーク行きJL6便(JA08WJ)、114番に午前10時55分発のダラス・フォートワース行きJL12便(JA05WJ)が並んだ。JALのA350-1000の4機並びは、4番目となった羽田-シンガポール線に期間投入した2月12日に初めて実現した(関連記事)。

JALのスタッフに見送られて羽田を出発するA350-1000によるパリ行き初便JL45便=25年5月1日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

JALが羽田空港ファーストラウンジで提供したパリ就航記念メニュー。(左上から)ブイヤベース、マカロン、肉の盛り合わせ「シャルキュトリー」=25年5月1日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 運航スケジュールは、パリ行きJL45便が羽田を午前10時20分に出発し、午後5時55分着。羽田行きJL46便は午後8時25分にパリを出発して、翌日午後5時20分に到着する。

 運航機材は5月1日から4日までは奇数日がA350-1000、偶数日は従来のボーイング777-300ER型機で運航。5日から6月30日まではA350-1000による1日1往復のデイリー運航となり、7月1日から31日までは偶数日がA350-1000、奇数日が777-300ER、8月1日から30日までは奇数日がA350-1000、偶数日は777-300ERで運航する。A350-1000の正式なデイリー化は、決まり次第発表する。

JAL A350-1000の個室ファーストクラス=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

JAL A350-1000の個室ビジネスクラス=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 A350-1000の座席数は4クラス239席で、ファーストクラスとビジネスクラスはJAL初の個室タイプのシートを採用。ファーストが6席(1列1-1-1席)、ビジネスが54席(同1-2-1席)、プレミアムエコノミーが24席(同2-4-2席)、エコノミーが155席(同3-3-3席)で、ファーストクラスは座席上のオーバーヘッドビン(手荷物収納棚)をすべてなくし、ビジネスは窓側のみとすることで開放感のある客室に仕上げた。

 ビジネスクラスはベッドの長さを従来より約10センチ長い最大約198センチ(78インチ)、幅は最大約56センチ(22インチ)とし、足もとまで広いフルフラットベッドに仕上げた。プレエコはクラス初の電動リクライニングシートを採用し、後ろの席に背もたれが倒れない「フィックスド・バック構造」や4K対応の16インチモニター、フットレストなどが特徴となっている。

 JALのA350-1000は、2024年1月24日に1路線目の羽田-ニューヨーク線に就航。同年4月17日からダラス・フォートワース線、10月24日からはロンドン線に投入済み。羽田-パリ線へ投入後は、6月30日からロサンゼルス線(JL16/15便)に投入する。

 777-300ERと同数の13機を発注済みで、受領初年度の2024年度は8機が計画通り引き渡され、現在は9機体制。今年度は11機がそろう見通し。

*写真は12枚(運航スケジュールは写真下に掲載)。

羽田空港112番ゲート前で横断幕を掲げパリ線へのA350-1000投入を祝うJALの地上係員=25年5月1日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

羽田空港112番ゲートで横断幕を掲げパリ行きJL45便の乗客を見送るJALの地上係員=25年5月1日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

羽田空港112番スポットで横断幕を掲げパリ線へのA350-1000投入を祝うJALのスタッフ=25年5月1日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

JALのスタッフに見送られて羽田を出発するA350-1000によるパリ行き初便JL45便=25年5月1日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

JALのスタッフに見送られて羽田を出発するA350-1000によるパリ行き初便JL45便=25年5月1日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

羽田空港112番スポットを出発し滑走路へ向かうJALのA350-1000パリ線初便JL45便=25年5月1日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

JALのA350-1000パリ線初便羽田発JL45便の乗客にプレゼントされた記念品=25年5月1日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

A350-1000によるパリ行き初便JL45便の乗客にプレゼントされたクッキーを手にするJALの客室乗務員(同社提供)

JALのA350-1000によるパリ行き初便JL45便の乗客にプレゼントされたクッキー(同社提供)

運航スケジュール
JL45 羽田(10:20)→パリ(17:55)
JL46 パリ(20:25)→羽田(翌日17:20)

関連リンク
JAL国際線 AIRBUS A350-1000
日本航空

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動画(YouTube Aviation Wireチャンネル
JAL A350-1000 ロンドン線初便 羽田出発

写真特集・JAL新旗艦機A350-1000
(1)ダブルベッドも可能な個室ファーストクラス
(2)個室内で完結する足もと広々ビジネスクラス
(3)後ろを気にせず電動リクライニングできるプレエコ
(4)4K13インチ画面エコノミーは快適さ追求