空港 — 2025年3月5日 17:50 JST

福岡空港、国内線ターミナルに複合施設 ホテル・バス発着場併設「エアポートシティ」へ

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 福岡空港を運営する福岡国際空港会社(FIAC)は3月5日、国内線ターミナルビルにホテルやバスターミナルなどを設ける複合施設を整備すると発表した。「旅する空港」をコンセプトとした地上11階建ての複合施設で、既存店と合わせ、保安検査場を通過前の一般エリアに約270店舗が入居。現在の交通拠点から、空港で過ごす「エアポートシティ」への進化を図る。4月に着手し、2027年夏のグランドオープンを目指す。また、国際線ターミナルへのアクセスも整備し、ターミナル間の移動時間を半減させる。

複合施設新設後の福岡空港国内線ターミナル(イメージ、FIAC提供)

—記事の概要—
ターミナル・立駐間に整備
商業施設出店数は国内空港最大級に
ターミナル連絡道は全専用道化
滑走路見える客室も

ターミナル・立駐間に整備

 新たに整備する複合施設は、国内線ターミナルと立体駐車場の間に設け、駐車場から複合施設を経由し、ターミナルに入れるようにする。1階から4階までを商業施設、5階から11階までをホテルとし、1階に各地からの便が発着するバスターミナルを、2階にはターミナル間を結ぶ連絡バスの乗降場を設ける。延床面積は約4万平方メートル、このうち商業面積は約1万1000平方メートルとなる。

 設計監理者は梓設計・隈研吾建築都市設計事務所・西日本技術開発共同企業体、施工者は大成建設(1801)で、総事業費は約450億円。着工は今年4月で、2027年春ごろの竣工を目指す。

福岡空港国内線ターミナルに併設する複合施設の全体図イラスト(FIAC提供)

商業施設出店数は国内空港最大級に

 商業施設には1階から4階まで異なるテーマを設け、国内線ターミナル到着フロアと接続する1階はトラベルグッズやサービス店のほか、地域住民も利用できるスーパーマーケットを備える。出発フロアと接続する2階は、福岡・九州を中心とした土産ものを取り扱うほか「食べ歩きグルメゾーン」を新設する。

 3階はキャラクター雑貨や体験コンテンツのフロアとし、新たな日本の文化を発信。世代・国籍を問わず楽しめるようにする。4階はアジアをテーマとしたフードフロアで、40店舗超の飲食・食物販店が出店し、本場のアジア料理を提供する。

 新設する店舗は約180店舗で、既存の店舗と合わせると一般エリアに約270店舗が出店する。FIACによると、出店店舗数はと国内空港最大級となるという。

ターミナル連絡道は全専用道化

 1階に設けるバスターミナルからは、高速バスや近距離路線バスが発着。2階にはターミナルを結ぶ連絡バスの乗降場を設ける。また、連絡バスが通行する道路すべてを専用道に整備する。ターミナル間の移動時間は約5分に短縮する。

 FIACは連絡バス道路の一部を専用道に整備済み。2024年12月からは国際線側を専用道とすることで移動距離を10分に短縮した。短縮前はターミナル間の一部を専用道としており、移動時間は当初の15分から3分の1に短縮することになる。

滑走路見える客室も

 5階から11階まではホテルで、上層階の部屋からは滑走路や航空機を望む作りとする。総客室数は165室を計画し、ダブル・ツイン・トリプルなど7タイプを用意。また、サウナ付きの大浴場やフィットネスなどを併設する。

 ホテル部分の賃借面積は約6300平方メートルで、西鉄(西日本鉄道、9031)グループの西鉄ホテルズが「SOLARIA」ブランドで運営。2027年夏ごろの開業を計画する。

福岡空港国内線ターミナルに新設する複合施設1階のバスターミナル(イメージ、FIAC提供)

福岡空港国内線ターミナルに新設する複合施設4階のフードコート(イメージ、FIAC提供)

福岡空港国内線ターミナルに新設する複合施設4階のフードコート(イメージ、FIAC提供)

福岡空港国内線ターミナルに新設する複合施設4階のフードコート入口(イメージ、FIAC提供)

福岡空港国内線ターミナルに新設する複合施設3階の体験型コンテンツフロア(イメージ、FIAC提供)

福岡空港国内線ターミナルに新設する複合施設2階の食べ歩きゾーン(イメージ、FIAC提供)

福岡空港国内線ターミナルに新設する複合施設2階の商業施設(イメージ、FIAC提供)

福岡空港国内線ターミナルに新設する複合施設2階の商業施設(イメージ、FIAC提供)

福岡空港国内線ターミナルに新設する複合施設2階の連絡バス乗降場(イメージ、FIAC提供)

福岡空港国内線ターミナルに新設する複合施設1階のスーパー(イメージ、FIAC提供)

福岡空港国内線ターミナルに新設する複合施設1階の大階段(イメージ、FIAC提供)

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