エアライン, 空港, 解説・コラム — 2023年12月1日 10:28 JST

福岡空港、国際線北側コンコース延伸部分が開業 搭乗橋増設、滑走路眺めて食事も

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 福岡空港を運営する福岡国際空港会社(FIAC)は12月1日、国際線ターミナル北側コンコース延伸部分の全面供用を開始した。従来はバス搭乗だったスポット(駐機場)にPBB(搭乗橋)を6基増設し、利便性を向上させた。建設中の第2滑走路が供用開始となる2025年に向け、北側ターミナルの増改築や連絡バス専用道路の整備などを進めていく。

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
「日本家屋の縁側」イメージ
滑走路眺めながら九州食材

「日本家屋の縁側」イメージ

 現在の国際線ターミナルは、1999年5月20日に開業。当時の旅客数は年間約250万人で、コロナ前の2018年度は約690万人まで増加し、2048年度には1600万人を目指す。FIACは国際線旅客の増加に対応するターミナル増改築を進めており、容量拡大の一環で北側コンコースを約240メートル延伸した。延伸部分は「日本家屋の縁側」をイメージし、天井やファサード(外観)は木調で仕上げた。

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分からの眺望=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 国際線のスポットは16カ所あり、コンコース延伸前は6カ所がPBB対応で、残り10カ所はバスで搭乗・降機していた。延伸後はバス搭乗だった10カ所のうち、ターミナルに近い6カ所がPBB対応となり、全16カ所のうちPBB搭乗が12カ所(延伸前6カ所)、バス搭乗が4カ所(同10カ所)になった。

 新たにPBB搭乗となった6カ所のうち、ターミナル側の3カ所(スポット51L、52R、52L)は10月29日から運用を開始済み。12月1日に残り3カ所(50R、50L、51R)が供用開始になり、バス搭乗のスポット番号は48R、48L、49R、49Lとなる。スポット番号と搭乗口の名称は異なり、搭乗口は51A(スポット51R)、51B(同51L)といった呼称が使われる。

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分の「坪庭」=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分に設置されたベンチの電源コンセントと充電用USB端子=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 搭乗口周辺には、さまざまなタイプのイスを用意し、テーブルなどに電源コンセントを設置。ベンチタイプのイスには、コンセントに加えて充電用USB端子も備え、端子の形状はType-AとType-Cを採用した。

 また、随所に博多織や大川組子といった福岡県産材を取り入れ、春夏秋冬と正月をイメージした「坪庭」を配すことで、訪日客に出発時まで日本や福岡を体感してもらえる空間に仕上げた。

 PBB増設に伴い、商業施設3店舗も新たにオープン。ドラッグストアとダイニングバーを12月1日にオープンし、2024年2月にはカフェが開業を予定している。ワーキングスペースやキッズスペース、トイレ、授乳室、喫煙室も備え、動く歩道も3基新設した。

福岡空港国内線ターミナルから見た国際線ターミナル北側コンコース延伸部分=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港の国際線地区パース(出所:梓設計・HOK・西日本技術開発共同企業体、FIAC提供)

福岡空港国際線ターミナル増改築概要(FIACの資料から)

 国際線ターミナルの増改築工事では、今年5月にラウンジを開業以来24年ぶりに刷新。国内線ターミナルと結ぶ「内際連絡バス」専用道路も整備しており、国際線から国内線に乗り継ぐ際の移動時間が現在は15分かかっているが、2025年度の完成後には5分と、大幅に短縮する。また。ターミナル北側増築部分の開業は第2滑走路が供用開始となる2025年3月末、既存施設の改修部分は同年11月の完成を目指す。

滑走路眺めながら九州食材

 ターミナル増改築後の商業施設が本格オープンするのは2025年だが、コンコース延伸により、窓越しに滑走路を眺められるようになったことから、飲食店が延伸部分にオープン。

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分にオープンした「KRAZY MEAT by ODA CHIKUSAN」のメニュー=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 保安検査後の「制限エリア」内では、九州の食材や地酒などが楽しめる「KRAZY MEAT by ODA CHIKUSAN」が12月1日に開業。長崎県産の壱岐牛を使ったカレーやシチュー、牛めし弁当などをそろえ、牛肉のほか豚肉、鶏肉も扱う。アルコール類は焼酎や日本酒、ビールなどに加え、「博多あまおう」「温州みかん」など九州の果物を使ったサワーも用意した。

 乗客以外も利用できる保安検査前の「一般エリア」には、欧州で店舗数首位のカフェブランド「コスタコーヒー」が12月1日にオープン。全国4番目の出店で、九州初の店舗となった。

 福岡空港の国際線は現在23路線で、直近の旅客数はコロナ前とほぼ同水準まで回復。外国人旅客の内訳は、韓国と台湾、香港、中国が約9割を占めている。コンコース延伸部分が報道関係者に公開された開業前日の11月30日も、アジアを中心とした多くの訪日客でにぎわっていた。

*写真は35枚。

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分のPBB設置状況(FIAC提供)

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分の内部配置図(FIAC提供)

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分の「坪庭」=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

231130_0058_rjff-640

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分に設置されたベンチの電源コンセントと充電用USB端子=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分の搭乗口=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分の搭乗口=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分に設置されたテーブル=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分からの眺望=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分からの眺望=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分のうち10月に先行開業したエリア=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分にオープンした「KRAZY MEAT by ODA CHIKUSAN」=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分にオープンした「KRAZY MEAT by ODA CHIKUSAN」からの眺望=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分にオープンした「KRAZY MEAT by ODA CHIKUSAN」の(左から)メンチカツ、博多あまおう、牛めし=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分のワーキングスペース=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分のキッズスペース=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分のうち10月に先行開業したエリア=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港国際線ターミナル北側コンコース延伸部分のうち10月に先行開業したエリア=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港国際線ターミナル既存エリアから見た北側コンコース延伸部分=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港国際線ターミナルにオープンしたコスタコーヒー福岡空港国際線旅客ターミナル店=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港国際線ターミナルにオープンしたコスタコーヒー福岡空港国際線旅客ターミナル店=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港国際線ターミナルにオープンしたコスタコーヒーのメニュー=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港国内線ターミナルから見た国際線ターミナル全景=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港国内線ターミナルから見た国際線ターミナルのバススポット=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

福岡空港国内線ターミナルから見た国際線ターミナル北側=23年11月30日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関連リンク
Costa
福岡空港

福岡空港、運動会で異業種交流 満足度アップで従業員定着へ(23年11月28日)
福岡空港にコスタコーヒー 国際線12/1開業、九州初(23年11月24日)
福岡空港、国際線に搭乗橋増設 ターミナルから直接機内へ、北側コンコース延伸(23年11月15日)
福岡空港、4年ぶりの国際新路線 寧波から7/15就航、春秋航空が週3往復(23年7月13日)
福岡空港、国際線に新有料待合室 7/1オープン、既存は閉鎖(23年6月30日)
福岡空港、国際線ラウンジが24年ぶり刷新 電源やビジネス席(23年5月31日)
福岡空港、国際線ターミナル増改築の起工式 面積倍増で混雑緩和、免税店は4倍に(22年5月20日)

  • 共有する:
  • Facebook
  • Twitter
  • Print This Post