エアライン, 空港 — 2023年12月8日 03:05 JST

JAL、関東中部の空港接客No.1に成田・東さん 6月に決勝戦

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 日本航空(JAL/JL、9201)は、空港で働くグランドスタッフ(地上旅客係員)の接客技術を競う「空港ハンドリング プロフェッショナルコンテスト」の地区予選を12月から実施している。2019年以来4年ぶりの開催で、羽田空港で4日に開かれた関東・中部地区予選では、個人部門は成田空港の東(ひがし)仁美さんが1位を獲得、東さんが所属する成田のチームが優勝チームに選出された。

JALの空港ハンドリング プロフェッショナルコンテストの関東・中部地区予選で個人部門1位を獲得した成田空港の東さん=23年12月4日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 国内空港の予選は、関東・中部地区を皮切りに、北海道、東北、西日本、九州・山口、沖縄の各地区で実施。海外空港も含めた本選の開催を2024年6月ごろに予定している。

 2019年に開かれた第7回までは「空港サービスのプロフェッショナルコンテスト」として開催してきたが、コロナ後の再始動となる今回から名称を変更。東京五輪の開催に合わせて導入を進めてきた新型自動チェックイン機や自動手荷物預け機(SBD)など、人的サービスの強化と最新技術の活用で利便性を高める「SMART AIRPORT(スマートエアポート)」の展開が進んだことから、コンテストの内容をより実情に沿ったものに刷新した。

JALの空港ハンドリング プロフェッショナルコンテストの関東・中部地区予選で個人部門1位を獲得した成田空港の東さん=23年12月4日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

JALの空港ハンドリング プロフェッショナルコンテストの関東・中部地区予選=23年12月4日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 従来のロールプレイ(実技審査)は、チェックインカウンターでの接客が主軸だったが、今回は出発ロビーで利用者からさまざまな対応を求められる形式とした。出場者が規程や手順などを正しく理解できているかや、各空港で接遇スキルを競い合うことでサービス品質を向上させ、自分だけでなく仲間とともに成長して組織力を高めるといった点を重視している。

 これまで実施してきた利用者役の社員を相手にした接客技術のロールプレイに加え、保安・安全・危険物などの規程類から出題する「総合テスト」も実施。羽田と成田、中部の3空港からグランドスタッフ13人が出場した4日の関東・中部地区予選では、個人部門は1位から3位と審査員特別賞の4人、チーム部門は優勝と準優勝の2チームが選出された。

 個人部門1位の東さんのほか、2位は中部の加藤栄輝さん、3位は羽田国内線の金川鈴花さん、特別賞は羽田国際線の福田真子さんが選ばれ、チーム部門は優勝が成田空港サザンカチーム、準優勝が中部空港となった。

JALの空港ハンドリング プロフェッショナルコンテストの関東・中部地区予選で個人部門1位の東さん=23年12月4日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 優勝した東さんのロールプレイでは、JALではすでに廃止している紙の時刻表が欲しいという高齢の女性客役が登場。孫の誕生日にプレゼントするクラッカーを持って搭乗したいという女性客に対し、火薬を機内に持ち込めないことや、クラッカーの代替案として東さんが持っていたシールを女性客に手渡すなど臨機応変に接客し、成田空港などで導入が進む顔認証ゲートの紹介などもしていた。

 大会終了後、東さんは「自分の祖母が新しい機械を体験することを楽しんでいたのを思い出しました」と話し、ロールプレイで思い通りに接客できなかったと心残りな部分もありながらも、女性客役と自らの祖母の姿を重ねて、接客を楽しめたという。

 東さんは2020年5月入社で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、本格的に接客できる機会が巡ってきたのは、昨年に入ってからだという。コンテストの成田空港内の予選「N1グランプリ」も優勝し、地区予選に進んだ。

 6月に予定されている決勝大会は空港ごとのチームで出場。係員が多い羽田や成田が属する関東・中部地区からは優勝の成田と準優勝の中部の2空港、そのほかの地区は予選で優勝または推薦された空港のチームが出場する。

JALの空港ハンドリング プロフェッショナルコンテストの関東・中部地区予選で個人部門1位の東さん(中央左)、2位の加藤さん(同右)、3位の金川さん(左)、審査員特別賞の福田さん=23年12月4日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

JALの空港ハンドリング プロフェッショナルコンテストの関東・中部地区予選でチーム部門優勝した成田空港サザンカチームの東さん(左)とソさん=23年12月4日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

JALの空港ハンドリング プロフェッショナルコンテストの関東・中部地区予選の出場者と審査員=23年12月4日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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