エアライン, 空港, 解説・コラム — 2020年2月24日 08:30 JST

先輩から受け継いだ接客でJAL空港接客No.1 第7回コンテスト優勝・羽田国際線西野さん

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 「無人化することはありません。係員が利用者に寄り添った、システムではできないサービスに集中できるようにするものです」。人的サービスの強化と最新技術の活用で利便性を高める「SMART AIRPORT(スマートエアポート)」の第1弾として、羽田空港国内線第1ターミナルに自動手荷物預け機(SBD=Self Baggage Drop)と、新型自動チェックイン機を導入する日本航空(JAL/JL、9201)の屋敷和子東京空港支店長は、狙いをこう話す。

JALの第7回空港サービスのプロフェッショナルコンテストで優勝した西野さん(左)と前回優勝者の永見さん=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 最新技術を導入することで、機械に任せることで利用者の待ち時間を減らすと同時に、地上係員(グランドスタッフ)でなければできない仕事を分離し、接客サービスの質を向上させるものだ。SBDはAI(人工知能)が手荷物の種類を学習していくことで、預けて問題ないものかを判断したり、今後導入を計画しているRFID(無線自動識別)タグにも対応済み。

 一方で、人的なサービスの向上については、7年前の2013年2月から地上係員が接客スキルを競う「空港サービスのプロフェッショナルコンテスト」を開くことで、従来は各空港で実施していたアナウンスコンテストなどの競技会を、より実践的なものにしている。

 今年度の第7回大会は2019年11月に開かれ、国内空港部門は羽田空港の国際線担当(KI)の西野恵理さんが、海外空港部門はロンドン・ヒースロー国際空港のアーメド・ザヒアさんが優勝。羽田は第5回から3大会連続で通算4回目を数えるが、JALでもっとも規模が大きい空港ゆえ、羽田の出場者は好成績を残すことが期待される中で実技に挑まなければならない。西野さんは、どのような気持ちで出場したのだろうか。

JALの第7回空港サービスのプロフェッショナルコンテストで優勝した羽田空港の西野さん。風船を持ち込みたい外国人客には英語でていねいに説明していた=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

JALの第7回空港サービスのプロフェッショナルコンテストで優勝した羽田空港の西野さん=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 2017年に入社した西野さんは帰国子女。JALの最近のコンテストでは、チェックインカウンターなどの接客技術を審査する「ロールプレイ審査」で、外国人教官が扮する外国人客が、早口の英語で出場者に質問するケースも多くみられ、英語で十分な接客ができるかがポイントの一つになっている。英会話の出来に不安を感じる出場者がいる中で、西野さんは自分が話す日本語の言葉使いが、接客として正しいかを心配していた。

 不安を抱く後輩を支えた一人が、第6回大会の国内部門で優勝した羽田国際線担当・永見愛里さんだった。西野さんが本選出場を決めた羽田空港内で開かれた予選では、永見さんは西野さんの実技だけでなく、予選出場者の動きで気になった点をこまめにメモしていた。

 西野さんは「接客の基本的なことやアナウンスも、ずっと一緒に練習してくださいました」と、永見さんから特訓を受けたことを明かした。練習を通じて、自分の考えるサービスだけでなく、利用者が求めるものを常に考えて行動するようになっていったという。

 一方で、地上係員の仕事は利用者をもてなすだけではない。機内に持ち込めない危険物の有無を確認したり、利用者の気分を害することなく危険物を持ち込めないことを説明することも、重要な仕事のひとつだ。今回のロールプレイでは、風船を持った外国人客が登場。西野さんは搭乗前に空気を抜いてもらう必要性を、流ちょうな英語で説明していた。

 コンテストを終えた西野さんは、「すごく楽しかったです。おもてなしで、皆さんにJALを好きになっていただきたいです」と、晴れやかな表情で話した。

 入社3年目の西野さんは、JALが受託している海外の航空会社のチェックイン業務や、要人の接遇なども担当している。空港内の業務がさまざまな形で自動化されていく中、先輩から受け継いだ接客技術や、利用者が安心できる安全管理といった人的なサービスが、これまで以上に重要性が増していくだろう。

JALの第7回空港サービスのプロフェッショナルコンテストの国内空港部門で優勝した羽田国際線の西野さん(左)と海外空港部門優勝のロンドンのザヒアさん=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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