エアライン, 機体, 空港, 解説・コラム — 2023年11月29日 10:15 JST

トキエア、1/31就航 新潟-札幌丘珠を週4日

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 新潟空港を拠点に就航を目指すトキエア(TOK/BV)は11月29日、1路線目となる新潟-札幌(丘珠)線を2024年1月31日に開設すると発表した。航空券の予約開始は1月中、1日2往復4便を週4日運航する方向で調整しているが、最終決定には至っていない。

*会見の内容を加えて記事を更新しました(23年11月29日 13:10 JST)

新潟空港で就航日を発表するトキエアの長谷川社長=23年11月29日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
週4日運航でスタート
仙台は最速24年4月就航

週4日運航でスタート

 運航スケジュールは調整中としているものの、今年8月の就航予定から大きな変更はないという。機材は仏ATR製ATR72-600型機(1クラス72席)を使用する。

新潟空港に設置されたトキエアのカウンター=23年11月29日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 8月10日に運航開始を予定していた計画では、運航日は金曜と土曜、日曜、月曜の週4日で、1日あたり2往復4便を予定。1往復目の札幌(丘珠)行きBV101便は新潟を午前9時50分に出発し、午前11時30分着、2往復目の丘珠行きBV103便は午後2時20分に新潟を出発し、午後4時に着くスケジュールだった。正式なスケジュールが決まり次第、改めて発表するという。

 運賃は、予約変更可能で当日まで購入できる空席連動型の「トキビズ」が片道2万4000円から2万9000円、出発時刻の72時間前まで購入でき、予約変更できない「トキトク」が6900円から1万9900円、搭乗日の3日前から購入でき予約変更できない12歳から25歳の利用者限定の「トキユニ」が1万2500円、障がい者割引運賃が1万6900円となっている。トキビズとトキトクは子供運賃を設定する。航空券は同社ウェブサイトとコールセンターで販売する。

 トキエアに対しては、新潟県が県として融資している。 当初は2022年の就航を計画していたが、今年6月30日に延期となり、6月に入ると8月10日に再延期となって以降、就航予定日を公表していなかった。

仙台は最速24年4月就航

 29日に新潟空港で会見を開いたトキエアの長谷川政樹社長は、週4日運航から毎日運航に増便する時期について「パイロットや整備士のマンパワーの問題で、(就航時点での)最終的な体制を確認している。デイリーで飛ばせれば利便性があがると思うので最終調整している」と述べ、早期にデイリー化を目指す考えを示した。搭乗率は7割を目標にするという。

トキエアのATR72-600初号機=22年11月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 2路線目の新潟-仙台線の開設時期については、「2カ月くらいは間隔が必要」(長谷川社長)として、最短で2024年4月ごろの就航になるという。新路線の開設には施設検査など、国土交通省の審査があり、一般的に開設申請から就航までに最短で2カ月程度はかかるため、指摘事項が生じた場合はさらに時間がかかる可能性がある。

 また、就航が繰り返し延期となっているため、本来であれば遅くとも今夏に就航し、商業運航が軌道に乗ったタイミングで冬を迎えるはずだった。日本海側に近い札幌市内にある丘珠空港は、太平洋寄りの千歳市にある新千歳空港と比べ、例年雪の影響を受けやすく、札幌市周辺で大雪が降った場合、バスやタクシーなど二次交通が大幅に遅れるといった、自社以外の遅延なども念頭に日々の計画を立てる必要があり、天候によっては就航率低下により、収益を得にくくなる場合がある。

 長谷川社長は「冬場に向けた訓練も行っている」として、降雪時にも対応できる体制だと説明した。また、今年7月に国交省東京航空局(TCAB)に提出した整備規程については、1月から修正版の審査を受けることになるが、現時点で1月31日の就航には間に合うとの見方を示した。

 2機あるATR72のうち、初号機(登録記号JA01QQ)は11月20日に整備委託先のある台湾へ向かった。重整備(Cチェック)を実施するもので、安全統括管理者を務める宮崎邦夫取締役によると、1月20日前後には新潟に戻り、入れ替わりで2号機(JA02QQ)が台湾で重整備に入るという。このため、就航から1週間程度は1機で運航することになる。

 黒字化については、当初計画の2024年度から1年遅れの2025年度を見込んでいるという。

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