エアバス, エアライン, 機体, 空港, 解説・コラム — 2023年8月1日 18:27 JST

JAL、11月下旬にA350-1000就航へ 羽田-NYに次世代旗艦機

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 日本航空(JAL/JL、9201)は8月1日、冬ダイヤに投入を計画している長距離国際線機材エアバスA350-1000型機について、11月下旬の就航に向けて準備を進めていることを明らかにした。現行のボーイング777-300ER型機の後継となる国際線のフラッグシップで、羽田-ニューヨーク線が最初の投入路線になる。

JALの中期経営計画説明会の会場に展示されたA350-1000の模型=23年5月2日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 JALが国際線のフラッグシップを刷新するのは19年ぶりで、初号機(登録記号JA01WJ)就航は冬ダイヤ期間の11月下旬を計画。客室仕様も刷新し、今年度(23年度)は2機導入する。8月1日に開かれた2023年4-6月期(24年3月期第1四半期)決算会見で、経営企画本部長とグループCFO(最高財務責任者)を務める斎藤祐二専務が明らかにした。

 JALがA350の発注を発表したのは2013年10月7日。これまで日本の航空会社が大型機を選定するとなれば、米国のボーイングと相場が決まっていたことから、欧州のエアバス機導入は日本の航空業界に大きな衝撃を与えた。777の後継として、標準型のA350-900を18機、長胴型のA350-1000を13機の計31機を確定発注し、オプション(仮発注)で25機購入する契約を締結した。国内線機材のA350-900は2019年9月1日に就航し、16号機(JA16XJ)まで受領している。

 16号機まではすべてA350-900だったが、17機目はA350-1000の初号機となる。JALはA350-1000を2025年度末までに9機を導入後、2028年度ごろまでに残り4機を受領する見通しで、現行の777-300ERを順次退役させる。

 JALの赤坂祐二社長は今年5月に、「国際線のほうがCO2(二酸化炭素)排出量の削減効果があるので、まずはA350-1000を入れていく」と説明。当面は国内線機材のA350-900よりも、A350-1000の導入に注力していく方針を示した(関連記事1)。

 客室内装については、今年6月の当紙による単独インタビューで「できるだけ今、取り得る最先端のものを作っていきたい」と述べる一方、かつてと違い「安全基準が厳しくなっている」として、ジャンボ機などの時代と比べて航空会社が自由に客室を開発しにくくなっている点に触れた(関連記事2)。

 A350-1000の客室仕様や具体的な就航日は、決まり次第改めて発表するという。現行の777-300ERは2004年7月1日に初号機(JA731J)が就航し、2013年1月からは新装機「SKY SUITE 777(スカイスイート777)」を運航。スカイスイート777は4クラス244席で、ファースト8席とビジネス49席、プレミアムエコノミー40席、エコノミー147席で、1路線目の成田-ロンドン線(JL401/402便)は2013年1月9日に就航した。

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