エアバス, エアライン, 機体, 解説・コラム — 2023年3月17日 12:51 JST

JAL、A350-1000の写真初公開 冬ダイヤに羽田-NY就航

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 日本航空(JAL/JL、9201)は3月17日、冬ダイヤに就航させる最新大型機エアバスA350-1000型機の初号機(登録記号F-WZFM、日本登録時はJA01WJ)の写真を公開した。JALが国際線のフラッグシップを刷新するのは19年ぶりで、同機の写真を公表するのは初めて。

JALが公開したA350-1000初号機の写真(同社提供)

羽田に初飛来したエアバスのA350-1000飛行試験2号機=18年2月14日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 A350-1000は現行のボーイング777-300ER型機の後継となる長距離国際線機材で、羽田-ニューヨーク線が最初の投入路線になる。就航は10月29日開始の冬ダイヤを予定しており、客室仕様も刷新する。

 JALは777の後継機として、2013年10月7日にA350を発注したと発表。これまで日本の航空会社が大型機を選定するとなれば、ボーイングなど米国製と相場が決まっていたことから、欧州のエアバス機導入は日本の航空業界に大きな衝撃を与えた。777の後継として、標準型のA350-900を18機、長胴型のA350-1000を13機の計31機を確定発注し、オプション(仮発注)で25機購入する契約を締結した。国内線機材のA350-900は2019年9月1日に就航しており、16号機(登録記号JA16XJ)まで受領している。

 16号機まではすべて国内線用のA350-900だったが、17機目はA350-1000の初号機となる。2023年度は2機受領し、現在の中期経営計画の最終年度となる2025年度末には9機体制を構築。2028年度ごろまでに残り4機を受領する見通しで、現行の777-300ERを順次退役させる。

中期計画のローリングプラン発表時に初展示されたA350-1000の模型=22年5月6日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 ロンドンやニューヨークなどの長距離国際線にA350-1000を投入することで、CO2を削減するほか、2004年7月1日の就航から20年近い777-300ERを退役させることにより、運航・整備コストを削減する。JALは現在の中期計画で、ESG(環境・社会・企業統治)戦略を経営の軸に据えており、A350をはじめとする省燃費機材への更新により、2030年までに400億円の燃油費削減効果を見込んでいる。

 現行の777-300ERは座席数が4クラス244席で、ファースト8席、ビジネス49席、プレミアムエコノミー40席、エコノミー147席。現在の客室仕様「スカイスイート」は2013年1月9日に改修初号機(JA731J)が就航し、13機目となる改修最終号機(JA741J)は2014年7月26日に就航した。2019年8月からはファーストクラス以外のシートカバーを新デザインに刷新するなど、同年9月に就航したA350-900と連続性のあるインテリアにリニューアルしている。

 A350-1000は新仕様の客室を導入し、コロナ後の旅客需要取り込みを目指す。777-300ERと同様、ビジネス客が主なターゲットで、カタール航空(QTR/QR)やデルタ航空(DAL/DL)、全日本空輸(ANA/NH)などが導入している個室タイプのビジネスクラスなどと比較し、競争力のある客室で利用者に訴求していく。

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