官公庁, 機体 — 2023年3月16日 22:20 JST

【動画】米国防総省、露Su-27接触の動画公開 黒海で墜落のMQ-9、水深1500mで回収困難

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 米国防総省は現地時間3月15日(日本時間16日)、黒海上空の国際空域で14日に米空軍の無人航空機MQ-9「リーパー」がロシアのSu-27戦闘機2機に進路を妨害されて墜落したことを受け、MQ-9が墜落する前にSu-27が燃料とみられるものを噴射する様子などを撮影した動画を公開した。


米軍欧州軍司令部が公開した動画(23年3月14日撮影)

米空軍のMQ-9(同軍提供)

 オースティン国防長官は「ロシア軍機2機が、国際空域で通常運用している米国の無人航空機MQ-9に燃料を投棄した。そして、1機のロシア機がMQ-9に衝突し、墜落した。この危険な出来事は、国際空域でのロシア人パイロットによる攻撃的で危険な、安全ではない行動のパターンの一部だ」と説明。「米国は国際法が許す限り、飛行と運用を続けるだろう」と述べた。MQ-9はISR(情報収集・警戒監視・偵察)任務に就いていたとみられる。

 米軍の欧州軍司令部によると、1機のSu-27がMQ-9のプロペラに衝突し、国際海域にMQ-9を降下させる必要があったという。公開された動画の終了3秒前くらいから曲がったプロペラが映っている。

 MQ-9のプロペラは機体尾部に1基あり、ウェポン・ステーション(ハードポイント)にはミサイルなどを搭載できるが、墜落時に武装していたかは明らかになっていない。

 ミルリー統合参謀本部議長は「黒海のどこに着水したかは判明している。おそらく水深4、5000フィート(約1500メートル)くらいだろう。この深さでの回収作業は、誰にとっても非常に困難だ」と述べた。

 オースティン国防長官は「我々はエスカレーションの可能性を非常に深刻に受け止めており、だからこそコミュニケーションラインをオープンに保つことが重要だと考えている」と述べ、引き続きロシア側と対話を続けていく姿勢を示した。

関連リンク
U.S. Department of Defense
U.S. Air Force

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