エアライン, 空港 — 2022年10月26日 22:31 JST

関空、大きな窓のANA/JAL共用ラウンジ 新国内線エリアがオープン

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 関西空港第1ターミナル(T1)の新国内線エリアが10月26日、オープンした。保安検査後の商業エリアを拡充したほか、従来は全日本空輸(ANA/NH)と日本航空(JAL/JL、9201)が自社で設けていたラウンジを共用化し、駐機場が見える開放的な施設に改めた。出発階にある航空会社のチェックインカウンターも、リニューアルを終えた。

関空新国内線エリアの共用ラウンジ「ラウンジKANSAI」=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
窓のある開放的なラウンジ
万博前に国際線も刷新

窓のある開放的なラウンジ

 新国内線エリアは、これまで2階の南北2カ所にあった出発口を南側に新設した1カ所に集約し、保安検査場には複数の乗客が検査レーンを同時利用できる「スマートレーン」を6台導入。商業エリアの面積はこれまで230平方メートルだったが、約5倍の1130平方メートルに拡大し、従来は2階にあった到着口を国際線と同じ1階の南側に移設した。

関空新国内線エリアの共用ラウンジ「ラウンジKANSAI」=22年10月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関空の新国内線エリア=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 新商業エリアのうち、保安検査前の「一般エリア」は飲食6店舗と物販1店舗の計7店舗が、保安検査後の「制限エリア」は飲食4店舗と物販2店舗の計6店舗が出店。保安検査後の商業エリアを拡充することで、関西3空港を運営する関西エアポート(KAP)が2020年8月にリニューアルした伊丹空港と同様、利用客の早めの保安検査場通過を促す狙いがある。

 制限エリアの6店舗は、大阪のお好み焼き店「ぼてぢゅう」、京都・祇園が本店の天ぷら専門店「天ぷら 圓堂」、大阪土産などを取り扱う「関西旅日記」など、関西色豊かな店舗をそろえた。1日に先行開業した一般エリアの飲食店はフードコートになり、従来レストラン街にあったラーメン店「どうとんぼり神座」などが出店している。

関空の新国内線エリアから出発するJTAのジンベエジェット=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関空の新国内線エリア=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 PBB(搭乗橋)がある搭乗口は24番から27番、38番から41番の計8スポット。24と25番は元々国内線用だったものを内際共用で国際線と国内線を使い分ける「スイング運用」に、26と27番、38から41番は国際線用だったものを国内線に変更した。KAPによると、これまでの国内線出発・到着よりも最低5分程度は多く時間がかかるという。

 これまでANAとJALが各社で運営していたラウンジには窓がなかったが、同時にオープンした共用ラウンジ「ラウンジKANSAI」はエプロンや管制塔に面しており、大きな窓で開放的な空間にした。窓に面した席の一部などには、電源コンセントを備えている。。

関空の新国内線エリアの案内表示=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

万博前に国際線も刷新

 26日に開かれた式典で、KAPの山谷佳之社長は「昨年5月末に着工し、順調に工事を進めていただき、予定通り完成した」と、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でおよそ半年遅れの着工となったものの、スケジュール通り作業を進めた工事関係者に謝意を示した。

関空新国内線エリアでテープカットする関西エアポートの山谷社長(左から2人目)ら=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関空新国内線エリアのテープカットセレモニーで挨拶する関西エアポートの山谷社長=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 「来年春にJR西日本さんが梅田の地下駅を完成させ、関空と特急はるかで結ばれると、大阪のビジネスセンターと関空が太いネットワークで結ばれる」と、2025年4月13日から10月13日まで開催される大阪・関西万博を前に、梅田の新駅「うめきた(大阪)地下駅」などが整備されることに期待を寄せた。新駅は現在の大阪駅の一部となり、正式名称は「大阪駅」になるが、JR西日本では「うめきた(大阪)地下駅」も使用していくという。

 T1は国際線エリアも含めたリノベーションを進めており、今後は2023年冬に新国際線出発エリアの中央エリアがオープン。万博開催前の2025年春に新国際線エリアの保安検査場とラウンジの運用を開始し、主要部分が完成して「グランドオープン」となる。残る新国際線出発エリアの南北商業施設の増設は、2026年秋に終える見通し。山谷社長によると、2期工事(フェーズ2)にあたる新国際線エリアの工事は「多少前倒しで進んでいる」という。

*写真は31枚。

関空新国内線エリアのANA新カウンター=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関空新国内線エリアのANA旧カウンター=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関空新国内線エリアのJAL新カウンター=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関空新国内線エリアのジェットスター・ジャパン新カウンター=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関空新国内線エリアの保安検査場入口=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関空の新国内線エリア=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関空の新国内線エリアの案内表示=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関空の新国内線エリア=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関空の新国内線エリア=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関空の新国内線エリア=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関空新国内線エリアのANA空席待ちカウンター=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関空の新国内線エリア=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関空の新国内線エリア=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関空の新国内線エリア=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関空の新国内線エリア=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関空の新国内線エリアから出発するJTAのジンベエジェット=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関空の新国内線エリアから出発するJTAのジンベエジェット=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関空の新国内線エリア=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関空新国内線エリアでテープカットする関西エアポートの山谷社長ら=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関空の新国内線エリア1階の手荷物受取場=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関空1階南側の国内線到着口=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関西エアポートのキャラクター「そらやん」と航空会社の社員=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関空1階のフードコートで記念品を来館者に手渡す航空会社の社員と関西エアポートのキャラクター「そらやん」=22年10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

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