企業, 官公庁 — 2022年8月22日 14:03 JST

GEとNASA、電気飛行機エンジン高高度条件で試験 民間機転用可のハイブリッド技術

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 GEとNASA(米国航空宇宙局)の2者はこのほど、電気飛行機に搭載するハイブリッドエンジンについて、高高度条件下での高出力(メガワット、MW)と高電圧(マルチキロボルト、kV)試験に成功した。民間機への転用が可能な技術で、二酸化炭素(CO2)の排出量削減につながる。

GEとNASAの電気飛行機エンジンの高高度試験イメージ(GE提供)

 試験は米オハイオ州サンダスキーにあるNASA電気航空機テストベッド「NEAT」(NASA’s Electric Aircraft Testbed)で進め、高出力・高電圧に対応したハイブリッド電気推進システムを、高度4万5000フィート(約1万3700メートル)までを再現した条件下で動作させた。2021年6月に開始し今年初頭に終了。GEは電気モーターや発電機、コンバーター、トランスミッション、電力制御システムなどを開発した。

 GEは今後、GE製CT7エンジンを搭載したターボプロップ機「サーブ340B」を使用し、ハイブリッド飛行試験を実施する見通し。飛行試験にはボーイング傘下の米オーロラ・フライト・サイエンス(Aurora Flight Sciences)も協力する。

 電気モーターは高度1万フィート(約3050メートル)以上の高度で、低高度と異なる挙動を示す。普段は気体中には電気を通さないが、電極の間にプラズマが生じることで電気が流れる「放電」が起きる「プラズマアーク放電」の影響を受けやすくなる。

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