エアライン, ボーイング, 官公庁, 機体 — 2021年2月22日 14:53 JST

FAA、777に緊急耐空性改善命令 ユナイテッド機不具合でPWエンジン機

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 FAA(米国連邦航空局)のスティーブ・ディクソン長官は現地時間2月21日(日本時間22日)、ユナイテッド航空(UAL/UA)のボーイング777-200型機(登録記号N772UA)で20日に起きたエンジン損傷トラブルを受け、同じエンジンを搭載する777に対する緊急耐空性改善命令(EAD:Emergency Airworthiness Directive)を発効するよう指示し、当該機に対する即時点検を求めた。また、ファンブレードの点検間隔を早めるべきとしている。

デンバー空港周辺の住宅地で発見されたユナイテッド航空の777から落下したとみられるインレット・カウル(ブルームフィールド警察のTwitterから)

 N772UAは、1995年9月にユナイテッド航空へ引き渡された機体で、エンジンは米プラット&ホイットニー製PW4000を2基搭載。NTSB(米国家運輸安全委員会)が調査を進めているが、現時点で原因などの特定には至っていない。ユナイテッド航空は、同エンジンを搭載する24機の777を運航から一時離脱させている。

 機体を製造するボーイングは21日、「昨日の国土交通省航空局(JCAB)の決定と、本日のFAAによる運航停止決定を支持する」との声明を発表。同社としても、PW4000-112を搭載する777の運航停止を推奨するとし、対象は運航中の機体が69機、地上保管中が59機あるという。

 エンジンを製造したPWは21日、「PW4000の検査間隔の見直しをサポートするため、事業者および規制当局と調整している」との声明を発表した。

 N772UAは、デンバー発ホノルル行きUA328便として現地時間20日午後(日本時間21日午前)に米コロラド州のデンバー国際空港を離陸直後、右エンジンにトラブルが発生して引き返した。空港周辺の住宅地や公園などには、インレット・カウルなどエンジン部品の一部が落下したが、乗客乗員を含めけが人はなかった。

 国土交通省は日本時間21日、同じエンジンを搭載する777に対する追加対策の必要性の有無を検討する間、全日本空輸(ANA/NH)と日本航空(JAL/JL、9201)にPW4000を搭載する777-200と長胴型777-300の運航停止を指示。対象機はANAが19機、JALは13機で、両社とも国内線に投入している。

 日本国内では、昨年12月4日に同じエンジンを搭載する日本航空(JAL/JL、9201)の777-200(JA8978)が、羽田行きJL904便として那覇空港を離陸直後、左エンジンが損傷する「重大インシデント」が発生。那覇へ引き返した。乗客乗員にけがはなかったが、左エンジンに22枚あるファンブレードのうち2枚に損傷が見つかり、このうち1枚に疲労破壊の特徴である模様がみられた。

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