官公庁, 業績, 空港 — 2019年12月27日 17:30 JST

国管理空港の18年度収支、那覇が106億円赤字 第2滑走路増設、羽田は4年連続黒字

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 国土交通省航空局(JCAB)は、羽田空港など国が管理する25空港の2018年度の収支を、12月20日に公表した。着陸料など空港の収支(航空系事業)のみで営業損益を見ると、羽田と新千歳、小松の3空港を除く22空港が赤字だった。羽田は国際線の増加により、4年連続で黒字となった。

公表対象となった25の国管理空港(国交省の資料から)

 25空港全体の営業収益は、前年度比57億8200万円増の1221億3900万円。訪日客の増加により航空需要が拡大したことなどが奏功した。着陸料収入は前年度比13億4700万円増の893億2900万円で、2011年度から7年連続で前年度を上回った。

 各空港の営業損益を見ると、106億2100万円の赤字(前年度は63億5500万円の赤字)となった那覇が最大で、2020年3月に供用を開始する第2滑走路増設に伴う、空港整備事業費が367億7200万円でかさんだ。2番目の損益となった福岡は、70億4500万円の赤字(同65億5200万円の赤字)。民間の土地へ支払う土地建物借料が81億4000万円で収支を圧迫している。

 羽田空港は国際線の便数増加により、営業収益が前年度比51億2000万円増の813億7900万円となった。営業費用は整備費用が増加したことにより、前年度比19億5000万円増の692億9100万円となった。営業利益は、内際トンネルの建設や誘導路の改良工事などにより、整備費用が増加したものの、国際線増により収入が増加したことで、31億7000万円増の120億8800万円となった。

 また、利益水準の指標として、空港ごとのEBITDA(利払前税引前償却前営業利益)を公表。着陸料など空港の収支(航空系事業)のみで見た場合、6空港が黒字で、18空港が赤字だった。このうち、前年度赤字だった宮崎空港は黒字となった。

 一方、ターミナルビルなど関連事業(非航空系事業)を合算した場合は、15空港が黒字、9空港が赤字だった。このうち前年度赤字だった函館が黒字化し、黒字だった那覇と大分、美保が赤字となった。25空港のうち、八尾空港は乗降客数がゼロのため対象外となっている。

空港収支と関連事業収支合算後のEBITDA(国交省の資料から)

空港収支のみEBITDA
黒字:羽田、新千歳、宮崎、鹿児島、小松、徳島
赤字:福岡、那覇、稚内、釧路、函館、新潟、広島、松山、高知、北九州、長崎、熊本、大分、丘珠、美保、三沢、百里、岩国

空港収支と関連事業合算後のEBITDA
黒字:羽田、新千歳、福岡、函館、広島、松山、高知、北九州、長崎、熊本、宮崎、鹿児島、小松、徳島、百里
赤字:那覇、稚内、釧路、新潟、丘珠、大分、美保、三沢、岩国

関連リンク
国土交通省

那覇の第2滑走路
那覇空港、第2滑走路20年3月供用開始 新管制塔は1月から(19年11月26日)

過去の国管理空港の収支
国管理空港の収支、羽田が3年連続黒字 17年度、国際線増で(18年9月3日)
国管理空港の収支、羽田が2年連続黒字 16年度、深夜早朝帯の便増で(17年8月30日)
国管理空港の収支、羽田が黒字化 15年度、中国便増で(16年11月8日)
国管理27空港14年度収支、新千歳と小松除き赤字 福岡の借地料突出(16年3月2日)
国管理27空港、新千歳と小松除き赤字 13年度収支(15年8月3日)
国管理27空港、新千歳と小松、熊本除き赤字 福岡の借地料が依然突出(14年7月22日)
国管理空港、新千歳と小松、熊本除き赤字 福岡と那覇は借地料が圧迫(13年9月11日)
国管理空港、新千歳と小松除き24空港赤字 EBITDAも公表(12年11月13日)

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