エアライン, ボーイング, 機体 — 2019年7月11日 16:56 JST

ANA、国際線777新客室公開 隈研吾氏監修、ビジネスは前後互い違い新配列

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 全日本空輸(ANA/NH)は7月11日、長距離国際線に投入しているボーイング777-300ER型機の新客室を公開した。ファーストとビジネス両クラスは約10年ぶりの刷新で、個室タイプの新シートを導入。同社の空港ラウンジ監修も手掛ける建築家の隈研吾氏と、英国のデザイン会社Acumenがデザインを監修した。8月2日から羽田-ロンドン線に投入する。

ANAの777-300ER新ビジネスクラスを紹介する客室乗務員=19年7月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

—記事の概要—
日本建築の良さ採用
43インチ4Kモニター採用のファースト
ドア付き個室で前後互い違いのビジネス
プレエコとエコノミーは787-10踏襲

日本建築の良さ採用

 新仕様機のファーストとビジネスはドア付きの個室タイプで、機内の個人用モニターとしては世界初となる4K対応モニターを採用。ANAの平子裕志社長は「洗練さと日本の美を兼ね備えた最上級の空間を実現した」とアピールした。長距離路線は10時間以上のフライト時間になることから、さまざまな乗客の過ごし方に応える機内にしたという。

ドア付き個室タイプを採用したANAの777-300ER新ビジネスクラス=19年7月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの777-300ER新ビジネスクラスを発表する平子社長(左)とデザイン監修を担当した隈氏=19年7月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 隈氏は「機内というより空間をデザインした。単に広々とするのではなく、日本の建築空間の良さを実現した」と述べ、木目調のパネルやカーペットのカラーリングにもこだわった。

 シートのカラーも、従来のファーストとビジネスはANAのコーポレートカラーであるブルーを基調にしていたが、今回は日本家屋に通じる落ち着いた色調に刷新した。

 新仕様の777-300ERの座席数は4クラス212席。ファーストが8席、ビジネスが64席、プレミアムエコノミーが24席、エコノミーが116席で、全クラスに電源コンセントと充電用USB端子を設けた。従来機にも212席仕様があるが、新仕様はビジネスが4席減となる一方、エコノミーが4席増えた。

 シート配列は、ファーストとビジネスが1-2-1席の1列4席、プレミアムエコノミーは2-4-2席の1列8席でシートピッチが38インチ(約96.5センチ)、エコノミーは3-4-3席の1列10席で34インチとなる。

ANAの777-300ER新仕様機(上)と212席従来仕様機の座席レイアウト(同社サイトから)

現行の777-300ERビジネスクラス=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 個人用モニターのコンテンツは、ANAのスマートフォンアプリと連動させるほか、機内サービスのタイミングを把握できるようにし、乗客が自分の時間を過ごしやすくする。また、ファーストとビジネスのシートクッションは、西川と共同開発して座り心地や寝心地をよくしたという。読書灯や食事灯などのライトはパナソニック(6752)が監修し、用途に応じた位置や色を設定した。

 シートメーカーは、ファーストが日本の航空機内装品大手のジャムコ(7408)、ビジネスが仏サフラン・シーツ(旧ゾディアック・シート・フランス)、プレミアムエコノミーが独ZIM、エコノミーが独レカロが担当する。

 平子社長は、「今回の機体は新造機で、6機を12月までに導入する。既存機も6機を改修する」と述べ、2路線目はニューヨーク線に投入する意向を示した。改修は2020年から2021年に完了する見込み。ANAによると、12機の導入後については、今後検討していくという。

43インチ4Kモニター採用のファースト

 ファーストクラス「THE Suite」は、エアバスA380型機に採用したドア付き個室シートを基に、プライベートな空間を実現。個人用モニターは43インチと、現行の23インチから大型化し、機内用モニターでは世界初となる4K対応で、今後は映画なども順次対応させていく。

 パーティションは可動式で、中央席はペア利用にも対応。隣同士で空の旅を楽しめるようにした。隈氏によると、個室のドアは「引き戸」をイメージした仕上がりになっているという(ファーストの写真特集はこちら)。

寝具をセットしたANAの777-300ER新ファーストクラス=19年7月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ドア付き個室で前後互い違いのビジネス

 ビジネスクラス「THE Room」は、これまでと同じく全席通路アクセスで、新たに進行方向とは逆向きのシートと前後の向きを互い違いに配列。ANAのビジネスクラスでは初となるドア付きの個室タイプで、シートの最大幅は現行の約2倍となり、ANAの歴代ビジネスクラスではもっとも広い空間を実現したという。

 個人用モニターは24インチで、現行の17インチから大型化。ファーストと同様、4K対応のものを採用した。パーティションもファーストと同じく可動式を採用。ペアで搭乗するニーズにも対応する(ビジネスの写真特集はこちら)。

前後互い違いの新シートを採用したANAの777-300ER新ビジネスクラス=19年7月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

プレエコとエコノミーは787-10踏襲

 プレミアムエコノミーとエコノミークラスは、787-10と同じものを踏襲した。クラス世界最大となるタッチパネル式の個人モニターを備え、プレエコが15.6インチ、エコノミーが最前列を除き13.3インチとなる。

 ヘッドレストは6方向に調整可能で、布地の柄は色は同じでも1席ずつ異なる柄を採用した。

 今回お披露目された機体(登録記号JA795A)は新造機で、6月30日にボーイングから引き渡された機体。羽田には7月1日に到着した。8月2日の初便は羽田発ロンドン行きNH211便で、デイリー(毎日)運航は8月末から9月上旬ごろの開始を予定している。それまでは隔日運航で、8月は偶数日、9月は奇数日に運航する。

*写真は20枚(ファースト→ビジネス→プレエコ→エコノミーの順)。
*ファーストの写真特集はこちら
*ビジネスクラス編はこちら
*プレエコ・エコノミー編はこちら

ファーストクラス

新客室を導入したANAの777-300ER=19年7月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの777-300ER新ファーストクラス=19年7月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

4K対応モニターを備えるANAの777-300ER新ファーストクラス=19年7月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ドア付き個室タイプを採用したANAの777-300ER新ファーストクラス=19年7月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ドア付き個室タイプを採用したANAの777-300ER新ファーストクラス=19年7月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ビジネスクラス

4K対応モニターを備えるANAの777-300ER新ビジネスクラス=19年7月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの777-300ER新ビジネスクラス=19年7月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの777-300ER新ビジネスクラス=19年7月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの777-300ER新ビジネスクラス=19年7月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

プレミアムエコノミー

ANAの777-300ER新プレミアムエコノミー=19年7月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの777-300ER新プレミアムエコノミー=19年7月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

エコノミークラス

ANAの777-300ER新エコノミークラス=19年7月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの777-300ER新エコノミークラス=19年7月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

ANAの777-300ER新ビジネスクラスを発表する平子社長(中央左)とデザイン監修を担当した隈氏。両端は客室乗務員=19年7月11日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

関連リンク
国際線 新ビジネス・ファーストクラス B777-300ERのシート(ANA)
全日本空輸
隈研吾建築都市設計事務所

写真特集・ANA新777-300ER
(1)43インチ4Kモニターと引き戸付き個室ファーストクラス(19年7月13日)
(2)ドア付き個室ビジネスクラス(19年7月15日)
(3)世界最大の個人モニター備える1列10席エコノミー(19年7月17日)

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