エアライン, ボーイング, 機体, 需要, 需要予測 — 2017年10月16日 08:50 JST

ボーイング、北東アジアの新造機需要1470機 36年までの20年予測、単通路は660機

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 ボーイングは、日本と韓国、台湾からなる北東アジア地域での民間航空機の新造機需要は、2036年までの20年間に機数ベースで1470機(前年予測から30機増)、金額ベースでは3200億ドル(約36兆円、前年から据え置き)になると都内で10月12日に発表した。

北東アジア市場の需要予測を説明するボーイングのティンゼス氏=17年10月12日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 新造機需要のうち、71%にあたる1050機が既存機の置き換え、29%となる420機が新規導入と予測。北東アジアで運航される民間機は、現在の1090機が2036年には1510機に増えるとみている。

 来日したボーイング民間航空機部門マーケティング担当バイス・プレジデントのランディ・ティンゼス氏は、北東アジア市場の特徴について「北東アジアの経済は持続的に拡大し、今後20年で年1.2%の経済成長率が見込まれる。旅客数は2036年までに年2.2%増加するとみており、北東アジアの市場拡大に伴いLCCの顕著な成長が見込まれ、旅客数は堅調に推移するだろう」と指摘した。

 新造機のうち、660機(全体の45%、前年比60機増)が単通路(ナローボディー)機、310機(21%、30機減)が787-8など300席以下となる小型の双通路(ワイドボディー)機、310機(34%、120機減)が777などの中型双通路機と747やエアバスA380のような大型双通路機を合わせた需要、三菱航空機のMRJなど90席以下のリージョナル機が60機(5%、10機減)とした。

 ランディ氏は、「新造機需要の中心はLCCだ」と説明した上で、「航空会社の売上の2割から3割が貨物収入で需要がある。貨物機の新造機需要は130機(全体の9%)だ」と述べた。

 北東アジア市場の成長は、LCCの対等や同地域人口の75%超を占めると見込まれる中間層の増加が要因だという。また、リージョナル機については、「次の競争はここにあるとみている」と語った。

 ボーイングでは、2036年までの20年間の新造機市場について、機数ベースでは旅客機と貨物機を合わせて全世界で4万1030機、金額ベースではカタログ価格換算で6兆1000億ドルと予測している。

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