エアライン, 官公庁, 空港 — 2026年9月11日 06:00 JST

25年度の航空事故8件、重大インシデント2件=国交省

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 国土交通省航空局(JCAB)が発表した、2025年度の航空事故や重大インシデントの発生状況をまとめた「航空輸送の安全にかかわる情報」によると、航空事故は8件、航空事故につながりかねない「重大インシデント」は2件、安全上のトラブルは921件だった。報告総数は前年度比32件増の931件で、航空事故は2件増え8件、重大インシデントは1件減の2件だった。

—記事の概要—
航空事故
重大インシデント
安全上のトラブル
事業者別報告件数
機種別報告件数
航空事故

壱岐空港近海に不時着水したエス・ジー・シー佐賀航空のヘリ(運輸安全委員会の経過報告書から)

 8件発生した航空事故は、2025年4月に壱岐空港の北北東約31キロ付近の海上で、7月に米チャールストン国際空港の誘導路上で、11月に苫小牧沖の海上で、12月に秋田空港の北北西約23キロと、釧路空港の東の太平洋上で、2026年1月に阿蘇山の火口付近で、2月に米ヒューストン空港で、3月に三沢飛行場の西約6キロ付近で、それぞれ1件ずつ起きた。

 壱岐空港付近の事故は4月6日に発生。エス・ジー・シー佐賀航空のヘリコプター(ユーロコプターEC135T2+、登録記号JA555H)が午後1時47分ごろ、壱岐空港の北北東約31キロ付近の海上で不時着水し、機体が横転し大破した。同機は対馬空港から福岡和白病院の場外離着陸場へ患者輸送中で、機長と整備士、医師、看護師、患者、付添人の乗客乗員計6人が搭乗。このうち3人が死亡し、2人が重傷、1人が軽傷を負った。

 チャールストン国際空港の事故は現地時間7月18日に発生。全日本空輸(ANA/NH)のボーイング787-10型機の新造機(JA986A)がタキシング(地上走行)中、駐機していた米LCCのブリーズ・エアウェイズ(MXY/MX)のラスベガス発ノーフォーク行きMX509便(エアバスA220-300型機、N247BZ)と接触した。ANA機は新造機を羽田空港へ空輸するフェリーフライト(回航便)のNH9397便で、搭乗者は5人。けが人はおらず、ANA機は左主翼(ウイングチップ)が、ブリーズ機は尾翼(ラダーの一部)が損壊した。

 苫小牧沖の海上の事故は11月1日に発生。スカイマーク(SKY/BC、9204)の羽田発札幌(新千歳)行きBC705便(737-800、JA737X)が苫小牧沖海上付近の高度約3700メートルを降下中に被雷し、胴体などを損傷した。乗客177人、乗員6人の計183人にけがはなかった。

 秋田空港付近の事故は12月8日に発生。日本航空(JAL/JL、9201)グループのジェイエア(JAR/XM)が運航する伊丹発青森行きJL2151便(エンブラエル190型機、JA250J)が、秋田空港の北北西約23キロ、高度約7000メートルを降下中に急な揺れに遭遇した。乗客61人と乗員4人の計65人のうち、乗客1人が負傷し、腰椎圧迫骨折と診断された。

 釧路空港付近の事故は、同月22日に発生。JALのサンフランシスコ発成田行きJL57便(787-9、JA865J)が、釧路空港の東約1600キロの太平洋上、高度約1万1600メートルを飛行中に突然の揺れに遭遇した。乗客185人と乗員13人の計198人のうち、客室乗務員1人が右内側楔状骨(ないそくけつじょうこつ)を骨折した。

 阿蘇山の火口付近の事故は、1月20日に発生。匠航空(岡山市)が運航するヘリコプター、ロビンソン R44Ⅱ型機(JA10KE)が阿蘇市内の場外離着陸場を発着する遊覧飛行中、捜索救難信号を発信し、阿蘇山・中岳火口付近で損傷した状態で発見された。胴体と尾部などが損傷し、詳細は確認中。搭乗者は乗員1人、乗客2人で、死傷者などの確認を進めている。

 米ヒューストン空港の事故は、現地時間2月27日(日本時間同日)に発生。ANAの羽田発NH114便(787-9、JA873A)が着陸した際、機体尾部が滑走路に接触した。乗客197人と乗員12人の計209人にけがはなかった。

 三沢飛行場付近の事故は、3月13日に発生。JALの三沢発羽田行きJL158便(737-800、JA301J)が離陸後に鳥と衝突し、機首部を損傷した。乗客155人、乗員6人の計161人にけがはなかった。

重大インシデント

 2件発生した重大インシデントは、8月に稚内空港の滑走路上で、12月に丘珠空港付近で、それぞれ起きた。

 稚内空港での重大インシデントは、8月20日に発生。ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下のANAウイングス(AKX/EH)が運航するANAの札幌(新千歳)発稚内行きNH4841便(デ・ハビランド・カナダDash 8-400〈旧ボンバルディアQ400〉型機、JA854A)が同日午前11時18分ごろ、鳥防除作業車両が使用中の滑走路へ着陸した。車両は当該機を視認し、滑走路から退避している間に当該機が着陸した。同便には乗客70人と乗員4人(パイロット2人、客室乗務員2人)が乗っていたが、けが人はなかった。

 丘珠空港での重大インシデントは、12月11日に発生。JALグループの北海道エアシステム(HAC、NTH/JL)が運航する丘珠発秋田行きJL2823便(ATR 42-500型機、JA14HC)が上昇中、右エンジンが意図せず停止し、左エンジンの推力も一時的に低下した。緊急事態を宣言し、函館へ目的地を変更して着陸した。乗客乗員26人(乗客23人、パイロット2人、客室乗務員1人)にけがはなかった。

安全上のトラブル

 921件報告があった「安全上のトラブル」は、「機器からの指示による急な操作等」が169件。「航行中の構造損傷」が4件、「航行中のシステム不具合」が122件、「航行中の非常用機器等の不具合」が33件、「運用限界の超過、経路・高度の逸脱」が113件、「運航規程関連」が84件、「整備規程関連」が115件、「その他」が281件だった。

 安全上のトラブルを内容別で分類すると、「機材不具合」は257件、「ヒューマンファクター事案」は378件、「回避操作」は147件、「発動機の異物吸引による損傷」は9件、「部品脱落」は9件、「危険物の誤輸送等」は88件、「アルコール事案」は19件、「その他」は14件だった。

 378件あったヒューマンファクター事案の内訳は、運航乗務員が99件、客室乗務員が10件、整備従事者が166件、地上作業員が82件、製造が16件、その他は5件だった。
 147件あった回避操作の内訳は、TCAS(航空機衝突防止装置)によるRA(回避指示)は134件、GPWSによる回避操作は13件だった。

 19件あったアルコール事案の内訳は、運航乗務員が8件、客室乗務員が8件、運航管理者等がゼロ、整備従事者が3件だった。

事業者別報告件数

 事業者別の報告件数は運航便数の多さに比例し、大手2社の件数が目立つ。JALグループが324件、ANAグループが296件だった。

 このほか、日本貨物航空(NCA/KZ)が30件、スカイマークが32件、エア・ドゥ(ADO/HD)が20件、ソラシドエア(SNJ/6J)が15件、スターフライヤー(SFJ/7G、9206)が23件、ピーチ・アビエーション(APJ/MM)が40件、ジェットスター・ジャパン(JJP/GK)が51件、アイベックスエアラインズ(IBEX、IBX/FW)が30件、フジドリームエアラインズ(FDA/JH)が29件、オリエンタルエアブリッジ(ORC/OC)が12件、天草エアライン(AHX/MZ)が4件、トキエア(TOK/BV)が1件、新中央航空(CUK)が2件、東邦航空(THK)が3件、「その他航空運送事業者」が59件だった。

機種別報告件数

 機種別では、737-700/-800が186件、747が26件、767が63件、777が65件、787が133件だった。A320は148件、A350が29件、A380が48件。DHC-8-400が36件、E170/E175/E190が53件、CRJ700が28件、ATR42/72が34件、Do228が2件、「その他航空運送事業機」が80件だった。

 JCABは6月16日に、第39回航空安全情報分析委員会(委員長・河内啓二東京大学名誉教授)を開き、2025年度の安全情報について審議。12月ごろに開かれる次回の委員会では、2026年度上期に報告された安全情報について評価・分析などを行う。

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国土交通省

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