エアライン — 2015年7月15日 10:18 JST

イントレピッド、デルタ航空を選定 スカイマーク支援候補に

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 スカイマーク(SKY/BC)の大口債権者である米国の航空機リース会社、イントレピッド・アビエーションは日本時間7月15日、SKYの再生計画案における航空会社のスポンサー候補にデルタ航空(DAL/DL)を選定したと発表した。(会見の記事はこちら

エアバスの仏トゥールーズ工場で製造途中のスカイマーク向けA330-300=15年6月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 イントレピッドは5月29日、独自の再生計画案を提出したものの、支援する航空会社が明確になっていなかった。一方、SKYが提出した計画案は、投資ファンド「インテグラル」とANAホールディングス(9202)、三井住友銀行(SMBC)と日本政策投資銀行(DBJ)が折半で設立した投資ファンド「UDSエアライン投資事業有限責任組合」の3者が支援するとし、航空会社による支援を前面に打ち出している。

 イントレピッドとDALは7月15日午後から、再生計画案に関する記者会見を都内で開く。債権者は両案のうちいずれかを、8月5日に開かれる債権者集会で選択することから、両陣営は債権者の取り込みを図る。

 SKYの届出債権額は3089億円で、このうち議決権として東京地裁が認めているのは1522億円。1522億円の割合は、イントレピッドが最大の38.10%、エアバスが28.96%、ロールス・ロイスが15.79%、CITが13.50%となっており、4社で96.35%の議決権を保有していることになる。

 イントレピッドのフランクリン・プレイ社長兼CEO(最高経営責任者)は、「最大債権者であるイントレピッドの最終目標は、SKYを再生させること。われわれが提示する再生案に対し、支持をお願いしたい」と、債権者へ支持を求めた。

 SKYのロードファクター(座席利用率、L/F)は、1月に経営破綻して以降、路線撤退や減便による提供座席数減少により、4月からは3カ月連続で前年同月を上回っている。

 一方、6月の実績では全19路線中12路線で、乗客数が前年同月を割り込んだ。中には神戸-鹿児島線のように、提供座席数が前年同月並みながらも、25%以上乗客が減った路線もあるなど、地方路線では客離れが進んだ路線もみられ、存続する場合は経営の安定化による信頼回復が急務となっている。

 SKYはエアバスA330-300型機をリース契約により、10機の導入を予定していた。このうち、7機をイントレピッドが、3機を米国の金融サービス会社CITグループがリースする予定だった。経営破綻の時点でSKYが受領していたのは5機で、イントレピッドの機体は4機だった。

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