エアバス, 機体 — 2017年11月6日 16:23 JST

エアバス、A350-1000の機能・信頼性試験完了 型式証明の取得間近に

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 エアバスは現地時間11月2日、開発中の大型機A350-1000型機の機能・信頼性試験が完了したと発表した。月内に型式証明を取得し、最初の引き渡し先はカタール航空(QTR/QR)となる見込み。

機能・信頼性試験を終えたA350-1000=17年6月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 同試験は、欧州と南米で飛行試験機(MSN065、登録番号F-WLXV)を用いて実施。同機はコロンビアのバランキージャから1日にトゥールーズへ到着し、試験を終えた。試験飛行の要件に従い、約2週間で150時間に相当する6万5200キロ(3万5200海里)を飛び、自動着陸試験や客室性能試験などが行われた。

 試験飛行はエアバスのテストパイロットが実施し、EASA(欧州航空安全局)のパイロットも参加した。

 A350-1000は、3機種あるA350 XWBファミリーで胴体が最長となる長胴型の機体。全長は73.78メートルで、標準型で66.8メートルのA350-900より6.98メートル長い。座席数はメーカー標準仕様で3クラス366席と、A350-900の325席より41席多く、航続距離は7950海里(1万4350キロ)、最大離陸重量は308トンとなる。エンジンは英ロールス・ロイス製トレントXWB-97を搭載する。

 9月末現在、A350 XWBは858機受注。このうち、A350-1000は12顧客が169機を確定発注している。

 日本の航空会社では、日本航空(JAL/JL、9201)がボーイング777型機の後継機として、A350-900とA350-1000を合わせて最大56機導入。確定発注はA350-900が18機、A350-1000が13機の31機で、オプションの残り25機の機種は今後決定する。運航開始は2019年の予定で、777を6年程度で置き換える。A350-1000は長距離国際線用777-300ERの後継となる見通し。

 A350 XWBはA350-900とA350-1000のほかに、短胴型のA350-800(3クラス280席)が計画されていたが、見直しにより事実上キャンセルとなっている(関連記事)。

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