エアバス, エアライン, ボーイング, 機体, 空港 — 2016年5月11日 21:45 JST

ラン航空とTAM航空、「ラタム航空」に 日本就航「遠い将来」

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 チリのラン航空(LAN/LA)とブラジルのTAM航空(TAM/JJ)によるLATAMエアライン・グループは、5月から新ブランド「ラタム航空(LATAM Airlines)」を展開し、機体のデザインやロゴ、制服などを刷新した。5月11日には都内で新ブランド発表会を開催。同グループの日本支社長が、日本就航に前向きな姿勢を見せた。

ラタム航空塗装の787-8(イメージ、同社提供)

新デザイン初便で聖火運搬

 新たなロゴは南米大陸をデザインし、濃い目の青(インディゴブルー)と赤(コーラルレッド)を配色した。機体デザインは白を基調とし、従来よりも20キロ軽量化した。ボーイング787型機の場合、塗料は300リットル、その上に塗装するクリアコーティングは150リットル使用する。

 新デザイン機の初便はリオデジャネイロ発ジュネーブ行きの特別便で、現地時間5月1日にボーイング767-300型機で運航。五輪の聖火を載せ、3日にブラジリアに到着した。

 定期便への新デザイン導入は5日から開始。サンパウロ-サンチャゴ(チリ)線は767-300、サンチャゴ-リマ(ペルー)線とサンパウロ-ブラジリア線はエアバスA319型機で運航した。

 新デザインへの切り替えは順次進めており、2016年末までに50機以上が完了する見込み。2018年には、保有する全323機への導入を予定している。

制服は年末までに切り替え

 新制服は客室乗務員(CA)やグランドスタッフ(地上旅客係員)などが着用。ブラジル人デザイナーのペドロ・ロレンコ氏がデザインした。ブランドカラーのインディゴブルーとコーラルレッドを採用し、2016年末まで2万3000人以上の全スタッフに展開する。

 5月5日からは13空港で新デザインを展開。南米はサンティアゴとブラジリアのほか、リオデジャネイロのアントニオ・カルロス・ジョビン空港、サンパウロのコンゴーニャス空港とグアルーリョス空港、ブエノスアイレス(アルゼンチン)のエセイサ空港、エクアドルのキトとグアヤキル、コロンビアのボゴタ、ペルーのリマで導入し、南米以外ではマイアミとニューヨーク(ジョン・F・ケネディ)、マドリードで新デザインに切り替えた。

支社長「日本には遠い将来に」

日本就航に前向きの姿勢を見せるラタム航空グループのアリアス日本支社長=16年5月11日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 現在、日本を含むアジアには乗り入れていない。ラタム航空グループのハビエル・アリアス・日本地区支社長兼アジア地区営業統括本部長は、「近い将来での就航は計画していないが、遠い将来の就航を目指している」とし、具体的な時期については明言を避けた。またアリアス支社長は、アジアに乗り入れる場合、日本に就航すると明言。「ラタム航空にとって、日本は大きな市場だ」と説明した。

 山田剛 日本地区副社長は今後の運航形態について、当面はLA(ラン航空)とJJ(TAM航空)の便名で運航すると述べ、「のちにどちらかに統合することになるが、詳細は決まっていない」とした。

 ラン航空とTAM航空は2012年7月に提携。2015年8月には統合の一環として新ブランド名「ラタム」を発表した。現在は南米117都市、北中米11都市、欧州6都市、オセアニア3都市の計137都市に乗り入れている。アジアには乗り入れていない。

ラタム航空塗装のA350 XWB(イメージ、同社提供)

新制服を着用するラタム航空の地上係員(同社提供)

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