エアライン, ボーイング, 解説・コラム — 2015年11月21日 14:30 JST

スター・ウォーズジェット、Facebookファンも仕上げ参加 写真特集・ANAデカール機が出来るまで

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 11月22日の伊丹発羽田行きNH14便が初便となる、全日本空輸(ANA/NH)の特別塗装機「スター・ウォーズANAジェット(STAR WARS ANA JET)」。映画『スター・ウォーズ』のキャラクターを描いた特別塗装機3機のうちの2号機で、国内線に投入される機体だ。
(機体公開の記事はこちら

格納庫でANAのスター・ウォーズジェットを見学するFacebookイベントの参加者=11月19日 PHOTO: Motoyoshi OHMURA/Aviation Wire

ファンも仕上げに参加

 機体はボーイング767-300ER型機の国内線仕様機(登録番号JA604A)を使用。12月18日公開の新たな3部作の1作目『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』に登場する新キャラクタ-「BB-8」と、シリーズ第1作目から登場しているロボット「R2-D2」を描いたデカールが機体に貼り付けられている。

 貼り付け作業は、ANAを傘下に持つANAホールディングス(9202)などが出資する、MRO(整備・修理・分解点検)を手掛ける新会社「MRO Japan(MROジャパン)」が伊丹空港に構える格納庫で実施。8日に格納庫入りした機体は、薬剤などで一度塗装をはがした後、白やブルーなどの顔料系塗料を塗った上でクリアコートを施し、18日から塗装の上にデカールを貼っている。完成した機体は、21日午後にお披露目され、22日午前7時30分に伊丹から羽田へ出発する。

 お披露目前の19日、ANAではFacebook(フェイスブック)ファン向けのイベントとして、ひと足早く機体が見られる見学会を開いた。900人を超える応募の中から抽選で選ばれた27人は、デカールの一部を貼り終えたばかりの機体と記念撮影するなど、普段は立ち入れない格納庫内を堪能していたようだった。参加者のうち3組6人は、デカールの保護シートをはがす仕上げ作業を体験した。

初のクリアコート機

 スター・ウォーズジェットは、既存機を塗り直した上で、デカールを貼っている。機体の塗装は法規などの理由で、8年以内に塗り直しが生じるが、デカールの寿命はこれよりも短く、2年程度で貼り直すことになる。

 今回の再塗装では、ANAの機体では初めてクリアコートを使った工程で作業を行った。ボーイング787型機が新造時に用いているもので、国内では日本航空(JAL/JL、9201)のボーイング737-800型機が、今年1月に同社では初めてクリアコートを用いて再塗装している。従来の塗料よりも光沢が出る反面、透明なため正しく塗られているかの判断が難しい。

 今回のクリアコートを用いた塗装は8日に格納庫入り後、金属部分は薬剤ではがし、FRPはヤスリで削ってから表面処理を行った。その後、ダークブルー、ライトブルー、白の順で塗装し、最後にクリアコートを施した。デカールの耐用年数が塗装より短いため、クリアコートの上にデカールを貼っている。

 18日にスタートしたデカール貼りは、機体後部から作業を行い、位置決めや仮貼りをしてから貼り付けられた。その後、19日に参加者が保護シートをはがしたのは、機体右後方に貼られた「BB-8」のデカール。白い塗料が塗り直され、クリアコートが施された機体にオレンジ色の帯のデカールが貼られ、その上にBB-8のデカールが重ねられた。

 オレンジ色の帯は客室の窓ガラスの上に重なるため、特殊な糸のこぎりをあらかじめ機体とデカールの間に挟んでおき、デカールを貼り終えてから窓ガラス部分をはがしていく。MROジャパンによると、カッターなどで機体を傷つけないため、こうした慎重な作業が求められるという。

 スター・ウォーズの特別塗装機は、初号機「R2-D2 ANA JET」がボーイング787-9の国際線仕様機(登録番号JA873A)で、10月18日夜の羽田発バンクーバー行きNH116便で国際線定期便に就航。3機目となる「BB-8 ANA JET」は、BB-8を機体全体にデザインした機体で、ボーイング777-300ER型機の国際線仕様機(登録番号JA789A)を使用し、2016年3月から北米線に就航する。

*写真は43枚。

18日の作業

スター・ウォーズジェットに貼るデカールを用意する整備士=11月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

伊丹の格納庫に用意されたスター・ウォーズジェットに貼るデカール=11月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

伊丹の格納庫に用意されたスター・ウォーズジェットに貼るデカール=11月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

伊丹の格納庫に用意されたスター・ウォーズジェットに貼るデカール=11月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

スター・ウォーズジェットの整備を進める整備士=11月18日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire


これより先は会員の方のみご覧いただけます。

無料会員は、有料記事を月あたり3記事まで無料でご覧いただけます。
有料会員は、すべての有料記事をご覧いただけます。

会員の方はログインしてご覧ください。
ご登録のない方は、無料会員登録すると続きをお読みいただけます。

無料会員として登録後、有料会員登録も希望する方は、会員用ページよりログイン後、有料会員登録をお願い致します。

会員としてログイン
 ログイン状態を保存する  

* 会員には、無料個人会員および有料個人会員、有料法人会員の3種類ございます。
 これらの会員になるには、最初に無料会員としての登録が必要です。
 購読料はこちらをご覧ください。

* 有料会員と無料会員、非会員の違いは下記の通りです。
・有料会員:会員限定記事を含む全記事を閲覧可能
・無料会員:会員限定記事は月3本まで閲覧可能
・非会員:会員限定記事以外を閲覧可能

* 法人会員登録は、こちらからお問い合わせください。
* 法人の会員登録は有料のみです。

無料会員登録
* 利用規約 に同意する。
*必須項目新聞社や通信社のニュースサイトに掲載された航空業界に関する記事をピックアップした無料メールニュース。土日祝日を除き毎日配信しています。サンプルはこちら
登録内容が反映されるまでにお時間をいただくことがございます。あらかじめご了承ください。