企業, 官公庁, 機体 — 2015年11月18日 12:20 JST

ホンダジェット、FAAの型式証明取得へ 週内に試験終了で

By
  • 共有する:
  • Print This Post

 本田技研工業(7267)の米国子会社ホンダ エアクラフト カンパニー(HACI)は現地時間11月17日、小型ビジネスジェット機「HondaJet(ホンダジェット)」の進捗について、FAA(米国連邦航空局)の型式証明を間もなく取得すると発表した。

FAAの型式証明を間もなく取得するホンダジェット=15年4月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 同社の藤野道格社長が、ラスベガスで19日まで開催中のビジネスジェット展示会「NBAA(ナショナル・ビジネス・アビエーション・アソシエーション・コンベンション・アンド・エキシビション)2015」で報告した。現在、機体と搭載装置の「機能・信頼性飛行試験(F&R)」が最終段階を迎え、今週中には試験を終了する見込み。その後、型式証明を取得するという。

 FAAによる試験は、米国内31州の54空港で実施。さまざまな運航条件下での離陸・巡航・着陸試験、飛行中のシステムの故障シミュレーション、高温、低温、高湿度など各種環境下での飛行試験、計器着陸試験を重ねている。

 これらの試験を含め、ホンダジェットの試験は米国内70カ所で実施。試験時間は3000時間を超えるという。

 ホンダジェットは2015年4月から、米国以外での公開は初めてとなるワールドツアーを実施。日本を含む13カ国に飛来するもので、量産16号機(登録番号N420HE)が4月23日、羽田空港に到着した。25日に羽田空港の格納庫でメディア向けに公開後、25日に仙台空港、26日に神戸空港、29日に熊本空港、5月2日から3日までは岡山市の岡南飛行場で、4日には成田空港でデモ飛行や見学会を実施し、空港を訪れた多くの人を魅了した。

 その後、5月には欧州、8月には南米の展示会に出展。受注拡大を目指している。

 ホンダジェットはHACIが開発。主翼上に配された低騒音エンジンや複合材を使った胴体、標準仕様で乗客4人が乗れるゆったりとした客室などが特徴。エンジンは米GEとの合弁会社GEホンダ製HF120を搭載し、パイロット1人でも運航できる。

 これまでに100機以上を北米と欧州で販売。3月にFAAの事前型式証明(PTC)を取得しており、顧客への引き渡しも間近に迫っている。主に個人や企業の自家用機として、購入されているという。

関連リンク
HondaJet
National Business Aviation Association Convention and Exhibition (NBAA)

ホンダジェット、ブラジルで受注目指す 中南米見本市出展へ(15年7月21日)
ホンダジェット、欧州初飛来 販社も決定(15年5月18日)
「飛行機設計は頭脳握るべき」ホンダジェット、藤野社長インタビュー(15年5月11日)
ホンダジェット、成田空港で日本ツアー最終日(15年5月5日)
熊本の400人魅了 写真特集・ホンダジェットのデモ飛行(15年5月4日)
ホンダジェット、熊本でデモ飛行 九州初飛来(15年4月30日)
美しきビジネスジェット、羽田に飛来 写真特集・ホンダジェット日本初公開(15年4月27日)
ホンダジェット「フェラガモの靴からイメージ」 藤野社長、次の機体に意欲(15年4月24日)
ホンダジェット、羽田初飛来 仙台から到着(15年4月23日)

  • 共有する:
  • Facebook
  • Twitter
  • Print This Post