エアバス, エアライン, 機体 — 2015年9月2日 16:00 JST

スカイマーク、イントレピッドの債権額573億円超

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 民事再生手続き中のスカイマーク(SKY/BC)は9月1日、同社の大口債権者である米国の航空機リース会社、イントレピッド・アビエーションの債権額が573億円超で確定したことを明らかにした。ほかの債権も確定次第、追加弁済を始める。(新体制発表の記事はこちら

債権者との協議「順調」

スカイマークがリースで導入していたA330=15年4月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 申立人代理人の中原健夫弁護士によると、大口の債権者のうち、債権の届け出額はイントレピッドが1156億円、エアバスが869億円。これらは最大限の金額を届け出たもので、債権額はこれらを下回る。イントレピッドの債権額は確定したものの、エアバスは未確定。エアバスは、431億円で確定するとの見通しを述べた。

 争いのある債権者数については、10社未満だという。大口債権者は英ロールス・ロイスや米国の金融サービス会社CITグループなどで、中原弁護士は「これらと合意すれば追加弁済も見えてくる」と話した。債権者との協議は順調で、大口債権者とは裁判にならないとの見方を示し、「長くかからないのではないか」と語った。

 大口債権者の中でイントレピッドが最も早く債権額を確定したことについて、中原弁護士は「早急に債権額を確定させたかったのではないか」との見方を示した。

 届け出額から比べると、イントレピッドは583億円、エアバスは438億円差し引いた額で確定する見込み。2社の合計で1000億円近くが「浮いた」(中原弁護士)ことになる。このうち、5%にあたる約50億円が追加弁済の原資に回るという。

 スカイマークはエアバスA330-300型機をリース契約により、10機の導入を予定していた。このうち、7機をイントレピッドが、3機をCITグループがリースする予定だった。経営破綻の時点でスカイマークが受領していたのは5機で、イントレピッドの機体は4機だった。

 今後、9月29日に100%減資とスポンサーによる増資を実施し、新株主の下で臨時株主総会を開く。11月30日からは、基本弁済を実施する。基本弁済では、100万円までの債権は全額、100万円超の債権は5%を支払う。追加弁済の実施時期は未定。

幹線以外で共同運航

 全日本空輸(ANA/NH)とのコードシェア(共同運航)について、中原弁護士は「具体的な協議を進めている」とし、9月29日の臨時株主総会は一定のコードシェアを締結して迎えたいとした。具体的な路線については明らかにしていないものの、「羽田発着の札幌、福岡線はコードシェア対象外。それら以外の路線で実施する」と話した。羽田-鹿児島線や、神戸発着路線で実施するとみられる。

 その上で「詳細は現経営陣で詰め、新体制で契約する。有森正和現社長でも市江正彦次期社長でも、『スカイマーク』であることには変わりない」と、既定路線を崩さない考えを示した。

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