エアライン, 解説・コラム — 2015年2月2日 12:11 JST

スカイマーク支援、ANAとJAL温度差

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 民事再生法適用を申請したスカイマーク(SKY/BC、9204)を支援するスポンサーに、大手2社は名乗り出るのか。1月30日の2014年4-12月期(第3四半期)決算発表の場では、全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(9202)と、日本航空(JAL/JL、9201)では温度差が見られた。

スカイマークへの支援はANAとJALで温度差=1月29日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

出資:ANA「分析して判断」、JAL「もともとも検討していない」

 スポンサーとして名乗りを上げるかについて、ANAHDの殿元清司専務は、「現時点で決定したものはない」と断った上で、「(財務状況などを)分析した上で判断したい」と語った。

 殿元専務は「コードシェアを実施する上でのデューデリジェンス(資産査定)はしていたが、突っ込んだ部分はしておらず、細かいデータを持っていない」として、4日に開かれるSKYの債権者集会の動向などを確認した上で、判断していくとした。

 一方、JALの斉藤典和専務は「もともと検討していなかった。今後もない」と述べ、スポンサーとしては名乗りを上げない考えを示した。

コードシェア:中立なJAL、前向きなANA

 2014年11月にSKYから打診があったコードシェアについて、JAL総務本部長の日岡裕之執行役員は、「民事再生法適用の申請後は、具体的な申し入れを伺っていない。よく話をして協議したい。前向きでも後ろ向きでもなく、ニュートラル。お話があればしっかり聞きたい」と語った。

 また、「破綻を経験している。利便性向上などでお手伝いできればと思うし、そういう話があれば協議したい」(日岡執行役員)と述べ、安全運航や利便性向上での協力も、申し出があれば応じたいという。

 12月にコードシェアの打診を受けたANAHDは、「先方の状況は随分変わったが、前向きに検討したい」(殿元専務)との姿勢を示した。

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